High
High
日本語による情報は、英語による原文の非公式な翻訳であり、英語原文との間で内容の齟齬がある場合には、英語原文が優先します。
概要
シスコ製ワイヤレス LAN コントローラ(WLC)ソフトウェアの管理 GUI 設定機能では、複数の脆弱性が確認されました。管理者が GUI でデバイスを設定している最中に、認証されたリモートの攻撃者により予期せずデバイスを再起動される危険性があります。エクスプロイトには、デバイスの有効な管理者クレデンシャルが必要になります。
これらの脆弱性は、管理者が GUI 設定メニューにアクセスしている間に攻撃者から予期せず設定オプションが送信された場合に、オプションが十分に検証されないことに起因しています。攻撃者は、デバイス上で認証を取得し、管理者が GUI 設定機能を使用している間に細工されたユーザ入力を送信することにより、脆弱性をエクスプロイトできる可能性があります。不正利用に成功すると、攻撃者は該当デバイスのリロードを引き起こし、その結果 DoS 状態が発生する可能性があります。
これらの脆弱性は、シスコ ワイヤレス LAN コントローラで見つかったクロスサイト リクエスト フォージェリ(CSRF)の脆弱性に対して修正ソフトウェアが適用されていない場合にエクスプロイトされる可能性があります。そのためセキュリティ影響評価(SIR)が「高」になります。CSRF への修正ソフトウェアが未適用の場合、未認証の攻撃者が最初に CSRF の脆弱性をエクスプロイトした上で、本アドバイザリに記載されている脆弱性をエクスプロイトすることにより、管理者ユーザの権限で任意のコマンドを実行できる危険性があります。
シスコはこれらの脆弱性に対処するソフトウェアアップデートをリリースしています。これらの脆弱性に対処する回避策はありません。
このアドバイザリは、次のリンクより確認できます。
https://sec.cloudapps.cisco.com/security/center/content/CiscoSecurityAdvisory/cisco-sa-20190417-wlc-gui
該当製品
脆弱性のある製品
今回の脆弱性は、脆弱なリリースのシスコ ワイヤレス LAN コントローラ(WLC)ソフトウェアを実行している Cisco WLC に影響します。
脆弱性が存在する Cisco WLC ソフトウェア リリースの情報については、このアドバイザリの「修正済みソフトウェア」の項を参照してください。
Cisco WLC ソフトウェア リリースの判別
デバイスで実行されている Cisco WLC ソフトウェア リリースは、コントローラの Web インターフェイスまたは CLI から確認できます。
Web インターフェイスを使用する場合は、次を実行します。
- ブラウザを使用して、コント ローラの Web インターフェイスにログインします。
- [モニタ(Monitor)] タブをクリックします。
- 左ペインで、[Summary(サマリ)] をクリックします。
- [コントローラサマリ(Controller Summary)] の下にある [ソフトウェアバージョン(Software Version)] フィールドに、デバイスで現在実行されているソフトウェアのリリース番号が表示されます。
CLI を使用する場合は Telnet を使用してコントローラにログインして、show sysinfo コマンドを実行し、出力結果の Product Version フィールドの値を参照します。たとえばデバイスが Cisco WLC ソフトウェア リリース 8.3.102.0 を実行している場合、コマンドの出力は次のようになります。
(wlc)> show sysinfo Manufacturer's Name.............................. Cisco Systems Inc. Product Name..................................... Cisco Controller Product Version.................................. 8.3.102.0 Bootloader Version............................... 1.0.1
Field Recovery Image Version..................... 6.0.182.0 Firmware Version................................. FPGA 1.3, Env 1.6, USB console 1.27 Build Type....................................... DATA + WPS . . .
脆弱性を含んでいないことが確認された製品
回避策
これらの脆弱性に対処する回避策はありません。緩和策としては、アクセス コントロール リスト(ACL)によるフィルタリングや、管理アクセスを指定デバイスに制限する方法があります。
修正済みソフトウェア
シスコはこのアドバイザリに記載された脆弱性に対処する無償のソフトウェアアップデートをリリースしています。お客様がインストールしたりサポートを受けたりできるのは、ライセンスをご購入いただいたソフトウェア バージョンとフィーチャ セットに対してのみとなります。そのようなソフトウェアアップグレードをインストール、ダウンロード、アクセスまたはその他の方法で使用した場合、お客様は https://www.cisco.com/c/en/us/products/end-user-license-agreement.html に記載のシスコのソフトウェアライセンスの条項に従うことに同意したことになります。
また、お客様がソフトウェアをダウンロードできるのは、ソフトウェアの有効なライセンスをシスコから直接、あるいはシスコ認定リセラーやパートナーから取得している場合に限ります。通常、これは以前購入したソフトウェアのメンテナンス アップグレードです。無償のセキュリティ ソフトウェア アップデートによって、お客様に新しいソフトウェア ライセンス、追加ソフトウェア フィーチャ セット、またはメジャー リビジョン アップグレードに対する権限が付与されることはありません。
ソフトウェアのアップグレードを検討する際には、[シスコのセキュリティアドバイザリおよびアラート(Cisco Security Advisories and Alerts)] ページで入手できるシスコ製品のアドバイザリを定期的に参照して、侵害を受ける可能性と完全なアップグレード ソリューションを確認してください。
いずれの場合も、アップグレードするデバイスに十分なメモリがあること、および現在のハードウェアとソフトウェアの構成が新規リリースで引き続き正しくサポートされていることを十分に確認してください。不明な点については、Cisco Technical Assistance Center(TAC)もしくは契約しているメンテナンスプロバイダーにお問い合わせください。
サービス契約をご利用でないお客様
シスコから直接購入したがシスコのサービス契約をご利用いただいていない場合、また、サードパーティベンダーから購入したが修正済みソフトウェアを購入先から入手できない場合は、Cisco TAC(https://www.cisco.com/c/ja_jp/support/web/tsd-cisco-worldwide-contacts.html)に連絡してアップグレードを入手してください。
無償アップグレードの対象製品であることを証明していただくために、製品のシリアル番号と、本アドバイザリの URL をご用意ください。
修正済みリリース
カスタマーは、このセクションの表に沿って、適切なリリースへのアップグレードをおこなってください。本アドバイザリは以下のアドバイザリを含むコレクションの一部です。これらも考慮した上、完全なアップグレード ソリューションを確認してください。
- cisco-sa-20190417-aironet-shell:Cisco Aironetシリーズアクセスポイントの開発シェルアクセスの脆弱性
- cisco-sa-20190417-wlc-csrf:CiscoワイヤレスLANコントローラソフトウェアのクロスサイトリクエストフォージェリの脆弱性
- cisco-sa-20190417-wlc-gui:CiscoワイヤレスLANコントローラソフトウェアのGUI設定におけるDenial of Service(DoS)の脆弱性
- cisco-sa-20190417-wlc-iapp:CiscoワイヤレスLANコントローラソフトウェアのIAPPメッセージ処理におけるDoS脆弱性
次の表では、左側の列に主なソフトウェア リリースを記載しています。中央の列には、各メジャー リリースに対する今回の脆弱性の影響が記載されています。また、今回の脆弱性と、シスコ ワイヤレス LAN コントローラで見つかったクロスサイト リクエスト フォージェリ(CSRF)の脆弱性を修正したマイナー リリースも記載されています。右の列は、メジャー リリースがこのコレクションのアドバイザリに記載した何らかの脆弱性に該当するかどうか、また、これらすべての脆弱性に対する修正を含む最初のリリースを示します。
Cisco Wireless LAN Controller ソフトウェア
Cisco ワイヤレス LAN コントローラ メジャー ソフトウェア リリース | 今回の脆弱性に対して推奨されるリリース | このアドバイザリ集で説明している脆弱性すべてに対する推奨リリース |
---|---|---|
8.01 以前 |
8.3.150.0 | 8.3.150.0 |
8.01 | 8.3.150.0 | 8.3.150.0 |
8.11 | 8.3.150.0 | 8.3.150.0 |
8.21 | 8.3.150.0 | 8.3.150.0 |
8.31 | 8.3.150.0 | 8.3.150.0 |
8.4 | 8.5.140.0 | 8.5.140.0 |
8.5 | 8.5.140.0 | 8.5.140.0 |
8.6 | 8.8.111.0 | 8.8.120.0 |
8.7 | 8.8.111.0 |
8.8.120.0 |
8.8 | 8.8.111.0 |
8.8.120.0 |
8.9 | 脆弱性なし | 脆弱性なし |
不正利用事例と公式発表
Cisco Product Security Incident Response Team(PSIRT)では、本アドバイザリに記載されている脆弱性のエクスプロイト事例とその公表は確認しておりません。
出典
この脆弱性は、シスコ内部でのシステム セキュリティ テストによって発見されました。
URL
改訂履歴
バージョン | 説明 | セクション | ステータス | 日付 |
---|---|---|---|---|
1.1 | 修正済みソフトウェアの表を修正し、推奨リリースを 8.6、8.7、8.8 から 8.8.120.0 に更新。 | 修正済みソフトウェア | Final | 2019 年 4 月 18 日 |
1.0 | 初回公開リリース | — | Final | 2019 年 4 月 17 日 |
利用規約
本アドバイザリは無保証のものとしてご提供しており、いかなる種類の保証も示唆するものではありません。 本アドバイザリの情報およびリンクの使用に関する責任の一切はそれらの使用者にあるものとします。 また、シスコは本ドキュメントの内容を予告なしに変更したり、更新したりする権利を有します。
本アドバイザリの記述内容に関して情報配信の URL を省略し、単独の転載や意訳を施した場合、当社が管理した情報とは見なされません。そうした情報は、事実誤認を引き起こしたり、重要な情報が欠落していたりする可能性があります。 このドキュメントの情報は、シスコ製品のエンドユーザを対象としています。