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日本語による情報は、英語による原文の非公式な翻訳であり、英語原文との間で内容の齟齬がある場合には、英語原文が優先します。
概要
Cisco NX-OS ソフトウェアのネットワーク スタックにおける脆弱性により、認証されていないリモート攻撃者が、該当デバイスでサービス妨害(DoS)状態を引き起こせるようになります。
この脆弱性は、ネットワーク スタックにおけるメモリ バッファの割り当てと解放の問題に起因しています。攻撃者が、持続的な方法で該当デバイスに細工された TCP ストリームを送信することにより、この脆弱性をエクスプロイトする可能性があります。エクスプロイトが成功すると、該当デバイスのネットワーク スタックにおいて使用可能なバッファが使い果たされて、コントロール プレーン プロトコルと管理プレーン プロトコルの動作が損なわれ、DoS 状態に陥ることがあります。
注:この脆弱性は、該当デバイス宛てのトラフィックによってのみトリガーされ、該当デバイスを通過するトラフィックを使用して不正利用されることはありません。
シスコはこの脆弱性に対処するソフトウェアアップデートをリリースしています。この脆弱性に対処する回避策はありません。
このアドバイザリは、次のリンクより確認できます。
https://sec.cloudapps.cisco.com/security/center/content/CiscoSecurityAdvisory/cisco-sa-20190306-nxos-netstack
該当製品
脆弱性のある製品
- Nexus 1000V Switch for Microsoft Hyper-V
- Nexus 1000V Switch for VMware vSphere
- Nexus 3000 シリーズ スイッチ
- Nexus 3500 プラットフォーム スイッチ
- Nexus 3600 プラットフォーム スイッチ
- Nexus 5500 プラットフォーム スイッチ
- Nexus 5600 プラットフォーム スイッチ
- Nexus 6000 シリーズ スイッチ
- Nexus 7000 シリーズ スイッチ
- Nexus 7700 シリーズ スイッチ
- スタンドアロン NX-OS モードの Nexus 9000 シリーズ スイッチ
- Nexus 9500 R シリーズ ラインカードおよびファブリック モジュール
- UCS 6200 シリーズ ファブリック インターコネクト1
- UCS 6300 シリーズ ファブリック インターコネクト1
- UCS 6400 シリーズ ファブリック インターコネクト1
1UCSファブリックインターコネクトは影響を受けるネットワークスタックを使用しますが、これらの製品に対する攻撃ベクトルは現在確認されていません。
脆弱性が存在する Cisco NX-OS ソフトウェア リリースについては、このアドバイザリの「修正済みソフトウェア」の項を参照してください。
Cisco NX-OS ソフトウェアリリースの判別
管理者は、デバイスの CLI で show version コマンドを使用することによって、デバイスで実行されている Cisco NX-OS ソフトウェアのリリースをチェックできます。デバイスが Cisco NX-OS ソフトウェア リリース 7.0(3)I5(1) を実行している場合、コマンドの出力例は次のようになります。
nxos-switch# show version Cisco Nexus Operating System (NX-OS) Software TAC support: http://www.cisco.com/tac Copyright (C) 2002-2016, Cisco and/or its affiliates. All rights reserved. The copyrights to certain works contained in this software are owned by other third parties and used and distributed under their own licenses, such as open source. This software is provided "as is," and unless otherwise stated, there is no warranty, express or implied, including but not limited to warranties of merchantability and fitness for a particular purpose. Certain components of this software are licensed under the GNU General Public License (GPL) version 2.0 or GNU General Public License (GPL) version 3.0 or the GNU Lesser General Public License (LGPL) Version 2.1 or Lesser General Public License (LGPL) Version 2.0. A copy of each such license is available at http://www.opensource.org/licenses/gpl-2.0.php and http://opensource.org/licenses/gpl-3.0.html and http://www.opensource.org/licenses/lgpl-2.1.php and http://www.gnu.org/licenses/old-licenses/library.txt. Software BIOS: version 07.57 NXOS: version 7.0(3)I5(1) [build 7.0(3)I5(0.9)] BIOS compile time: 06/29/2016 NXOS image file is: bootflash:///nxos.7.0.3.I5.0.9.bin NXOS compile time: 8/1/2016 23:00:00 [08/02/2016 00:30:32] . . .
脆弱性を含んでいないことが確認された製品
このアドバイザリの脆弱性のある製品セクションに記載されている製品のみが、この脆弱性の影響を受けることが分かっています。
シスコは、この脆弱性が以下のシスコ製品には影響を与えないことを確認しました。
- FirePOWER 2100 シリーズ ファイアウォール
- FirePOWER 4100 シリーズ次世代ファイアウォール製品
- Firepower 9300 セキュリティ アプライアンス
- MDS 9000 シリーズ マルチレイヤ スイッチ
- Nexus 2000 シリーズ ファブリック エクステンダ
- Nexus 9000 シリーズ ファブリック スイッチ(アプリケーション セントリック インフラストラクチャ(ACI)モード)
詳細
この脆弱性は、該当デバイスを宛先とする TCP トラフィックによってのみトリガーされ、該当デバイスを通過するトラフィックを使用してエクスプロイトされることはありません。
この脆弱性をエクスプロイトするには、攻撃者は該当デバイスの開いている TCP ポートへの TCP 接続を確立する必要があります。結果として、スプーフィングされた IP アドレスを使用して攻撃を実行することはできません。
セキュリティ侵害の痕跡
この脆弱性がエクスプロイトされると、該当デバイスで使用可能なネットワーク スタック バッファのすべてが消費され、次のようなエラー メッセージが生成される可能性があります。
2019 Jan 4 11:25:00 nexus %NETSTACK-2-MPULLUP: netstack [15934] p_ip_output: m_pullup failed for IP, error ...
このエラー メッセージが表示される原因は複数あります。デバイスでこのメッセージが表示されたお客様については、サポート組織に連絡して、それがこの脆弱性のエクスプロイトによるデバイスの侵害を示しているのかどうかを判断してもらうことをお勧めします。
回避策
修正済みソフトウェア
シスコはこのアドバイザリに記載された脆弱性に対処する無償のソフトウェアアップデートをリリースしています。お客様がインストールしたりサポートを受けたりできるのは、ライセンスをご購入いただいたソフトウェア バージョンとフィーチャ セットに対してのみとなります。そのようなソフトウェアアップグレードをインストール、ダウンロード、アクセスまたはその他の方法で使用した場合、お客様は以下のリンクに記載されたシスコのソフトウェアライセンスの条項に従うことに同意したことになります。
https://www.cisco.com/c/en/us/products/end-user-license-agreement.html
また、お客様がソフトウェアをダウンロードできるのは、ソフトウェアの有効なライセンスをシスコから直接、あるいはシスコ認定リセラーやパートナーから取得している場合に限ります。通常、これは以前購入したソフトウェアのメンテナンス アップグレードです。無償のセキュリティ ソフトウェア アップデートによって、お客様に新しいソフトウェア ライセンス、追加ソフトウェア フィーチャ セット、またはメジャー リビジョン アップグレードに対する権限が付与されることはありません。
ソフトウェアのアップグレードを検討する際には、[シスコのセキュリティアドバイザリおよびアラート(Cisco Security Advisories and Alerts)] ページで入手できるシスコ製品のアドバイザリを定期的に参照して、侵害を受ける可能性と完全なアップグレード ソリューションを確認してください。
いずれの場合も、アップグレードするデバイスに十分なメモリがあること、および現在のハードウェアとソフトウェアの構成が新規リリースで引き続き正しくサポートされていることを十分に確認してください。不明な点については、Cisco Technical Assistance Center(TAC)もしくは契約しているメンテナンスプロバイダーにお問い合わせください。
サービス契約をご利用でないお客様
シスコから直接購入したが Cisco Service Contract をご利用いただいていない場合、また、サードパーティベンダーから購入したが修正済みソフトウェアを POS から入手できない場合は、Cisco TAC に連絡してアップグレードを入手してください。
https://www.cisco.com/c/en/us/support/web/tsd-cisco-worldwide-contacts.html
無償アップグレードの対象製品であることを証明していただくために、製品のシリアル番号と、本アドバイザリの URL をご用意ください。
修正済みリリース
この項の該当する表に示すように、適切なリリースにアップグレードすることをお勧めします。完全なアップグレード ソリューションを確認するにあたっては、このアドバイザリが公開されたバンドルの一部であることを考慮する必要があります。次のページに、バンドルアドバイザリの完全なリストがあります。Cisco Event Response: March 2019 Cisco FXOS and NX-OS Software Security Advisory Bundled Publication。
次の表では、左の列に Cisco FXOS ソフトウェアまたは Cisco NX-OS ソフトウェアのリリースを示しています。中央の列は、リリースがこのアドバイザリに記載されている脆弱性に該当するかどうか、および、この脆弱性に対する修正を含む最初のリリースを示しています。右の列は、リリースがこのバンドルに記載されたすべての脆弱性の影響を受けるかどうか、およびどのリリースにそれらの脆弱性に対する修正が含まれているのかを示しています。
各表の右の列に記載されているリリースには、脆弱性に対する修正が含まれていますが、Cisco NX-OS ソフトウェアのイメージ署名検証の脆弱性に関連する修正については、ソフトウェア アップグレードの一部として BIOS をアップグレードする必要があります。以下に示すいずれかの製品のソフトウェアをアップグレードする場合は、このアドバイザリに記載されている BIOS アップグレードと、該当製品の ID および BIOS バージョンの詳細を参照することをお勧めします。
- Nexus 3000 シリーズ スイッチ
- ACI モードの Nexus 9000 シリーズ ファブリック スイッチ
- スタンドアロン NX-OS モードの Nexus 9000 シリーズ スイッチ
- Nexus 9500 R シリーズ ラインカードおよびファブリック モジュール
Microsoft Hyper-V向けNexus 1000Vスイッチ:CSCvm53112
Cisco NX-OS ソフトウェアリリース | この脆弱性に対する最初の修正リリース | アドバイザリのバンドルに記載されているすべての脆弱性に対する最初の修正済みリリース |
---|---|---|
5.2 より前 |
5.2(1)SM3(2.1) | 5.2(1)SM3(2.1) |
5.2 | 5.2(1)SM3(2.1) | 5.2(1)SM3(2.1) |
VMware vSphere用Nexus 1000Vスイッチ:CSCvm53113
Cisco NX-OS ソフトウェアリリース | この脆弱性に対する最初の修正リリース | アドバイザリのバンドルに記載されているすべての脆弱性に対する最初の修正済みリリース |
---|---|---|
5.2 より前 |
5.2(1)SV3(4.1a) | 5.2(1)SV3(4.1a) |
5.2 | 5.2(1)SV3(4.1a) | 5.2(1)SV3(4.1a) |
Nexus 3000シリーズスイッチ:CSCvk55013
Cisco NX-OS ソフトウェアリリース | この脆弱性に対する最初の修正リリース | アドバイザリのバンドルに記載されているすべての脆弱性に対する最初の修正済みリリース |
---|---|---|
7.0(3)I4 よりも前 |
7.0(3)I4(9) |
7.0(3)I7(6) |
7.0(3)I4 | 7.0(3)I4(9) | 7.0(3)I7(6) |
7.0(3)I5 | 7.0(3)I7(6) | 7.0(3)I7(6) |
7.0(3)I6 | 7.0(3)I7(6) | 7.0(3)I7(6) |
7.0(3)I7 | 7.0(3)I7(6) | 7.0(3)I7(6) |
9.2 | 9.2(2) | 9.2(2) |
Nexus 3500プラットフォームスイッチ:CSCvm53114
Cisco NX-OS ソフトウェアリリース | この脆弱性に対する最初の修正リリース | アドバイザリのバンドルに記載されているすべての脆弱性に対する最初の修正済みリリース |
---|---|---|
6.0(2)A8 より前 | 6.0(2)A8(11) | 6.0(2)A8(11) |
6.0(2)A8 | 6.0(2)A8(11) | 6.0(2)A8(11) |
7.0(3) | 7.0(3)I7(6) | 7.0(3)I7(6) |
9.2 | 9.2(2) | 9.2(2) |
Nexus 3600プラットフォームスイッチ:CSCvm53108
Cisco NX-OS ソフトウェアリリース | この脆弱性に対する最初の修正リリース | アドバイザリのバンドルに記載されているすべての脆弱性に対する最初の修正済みリリース |
---|---|---|
7.0(3) | 7.0(3)F3(5) | 7.0(3)F3(5) |
9.2 | 9.2(2) | 9.2(2) |
Nexus 5500、5600、および6000シリーズスイッチ:CSCvm53115
Cisco NX-OS ソフトウェアリリース | この脆弱性に対する最初の修正リリース | アドバイザリのバンドルに記載されているすべての脆弱性に対する最初の修正済みリリース |
---|---|---|
5.2 より前 | 7.1(5)N1(1b) | 7.1(5)N1(1b) |
5.2 | 7.1(5)N1(1b) | 7.1(5)N1(1b) |
6.0 |
7.1(5)N1(1b) |
7.1(5)N1(1b) |
7.0 | 7.1(5)N1(1b) | 7.1(5)N1(1b) |
7.1 | 7.1(5)N1(1b) | 7.1(5)N1(1b) |
7.2 | 7.3(5)N1(1) | 7.3(5)N1(1) |
7.3 | 7.3(5)N1(1) | 7.3(5)N1(1) |
Nexus 7000および7700シリーズスイッチ:CSCvm53128
Cisco NX-OS ソフトウェアリリース | この脆弱性に対する最初の修正リリース | アドバイザリのバンドルに記載されているすべての脆弱性に対する最初の修正済みリリース |
---|---|---|
6.2 より前 | 6.2(22) | 6.2(22) |
6.2 |
6.2(22) | 6.2(22) |
7.2 | 7.3(3)D1(1) | 8.2(3) |
7.3 | 7.3(3)D1(1) | 8.2(3) |
8.0 | 8.2(3) | 8.2(3) |
8.1 |
8.2(3) | 8.2(3) |
8.2 | 8.2(3) | 8.2(3) |
8.3 | 8.3(2) |
8.3(2) |
スタンドアロンNX-OSモードのNexus 9000シリーズスイッチ:CSCvk55013
Cisco NX-OS ソフトウェアリリース | この脆弱性に対する最初の修正リリース | アドバイザリのバンドルに記載されているすべての脆弱性に対する最初の修正済みリリース |
---|---|---|
7.0(3)I4 よりも前 |
7.0(3)I4(9) |
7.0(3)I7(6) |
7.0(3)I4 | 7.0(3)I4(9) | 7.0(3)I7(6) |
7.0(3)I5 | 7.0(3)I7(6) | 7.0(3)I7(6) |
7.0(3)I6 | 7.0(3)I7(6) | 7.0(3)I7(6) |
7.0(3)I7 | 7.0(3)I7(6) | 7.0(3)I7(6) |
9.2 | 9.2(2) | 9.2(2) |
Nexus 9500 Rシリーズラインカードおよびファブリックモジュール:CSCvm53108
Cisco NX-OS ソフトウェアリリース | この脆弱性に対する最初の修正リリース | アドバイザリのバンドルに記載されているすべての脆弱性に対する最初の修正済みリリース |
---|---|---|
7.0(3) | 7.0(3)F3(5) | 7.0(3)F3(5) |
9.2 | 9.2(2) | 9.2(2) |
UCS 6200および6300シリーズファブリックインターコネクト:CSCvm53116
Cisco NX-OS ソフトウェアリリース | この脆弱性に対する最初の修正リリース | アドバイザリのバンドルに記載されているすべての脆弱性に対する最初の修正済みリリース |
---|---|---|
3.1 より前 |
3.2(3j) | 3.2(3j) |
3.1 | 3.2(3j) | 3.2(3j) |
3.2 | 3.2(3j) | 3.2(3j) |
4.0 | 4.0(2a) |
4.0(2a) |
UCS 6400シリーズファブリックインターコネクト:CSCvm53125
Cisco NX-OS ソフトウェアリリース | この脆弱性に対する最初の修正リリース | アドバイザリのバンドルに記載されているすべての脆弱性に対する最初の修正済みリリース |
---|---|---|
4.0 | 4.0(2a) |
4.0(2a) |
関連情報
Cisco Nexus スイッチに最適な Cisco NX-OS ソフトウェア リリースの決定に関してサポートが必要な場合は、以下の推奨リリースに関するドキュメントを参照してください。 セキュリティ アドバイザリでより新しいリリースが推奨されている場合は、そのアドバイザリのガイダンスに従うことをお勧めします。
Cisco UCS に最適な Cisco NX-OS ソフトウェア リリースの確認に関してサポートが必要な場合は、デバイスのリリース ノートに記載されている推奨リリースに関するドキュメントを参照してください。Cisco MDS シリーズ スイッチ
VMware 向け Cisco Nexus 1000V スイッチ
Cisco Nexus 3000 シリーズおよび 3500 シリーズ スイッチ
Cisco Nexus 5000 Series Switches
Cisco Nexus 5500 プラットフォーム スイッチ
Cisco Nexus 6000 Series Switches
Cisco Nexus 7000 Series Switches
Cisco Nexus 9000 Series Switches
ACI モードの Cisco Nexus 9000 シリーズ スイッチ
不正利用事例と公式発表
Cisco Product Security Incident Response Team(PSIRT)は、本アドバイザリに記載されている脆弱性の不正利用事例やその公表を確認していません。
出典
この脆弱性を報告していただいた Akamai 社の Tim April 氏、Trevers Astheimer 氏、Aaron Block 氏、John-Nicholas Furst 氏、および Eric Kloster 氏に感謝いたします。
URL
改訂履歴
バージョン | 説明 | セクション | ステータス | 日付 |
---|---|---|---|---|
1.0 | 初回公開リリース | — | Final | 2019 年 3 月 6 日 |
利用規約
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