High
High
日本語による情報は、英語による原文の非公式な翻訳であり、英語原文との間で内容の齟齬がある場合には、英語原文が優先します。
概要
Cisco Firepower Threat Defense(FTD)ソフトウェアのデータ収集(DAQ)コンポーネントの脆弱性により、認証されていないリモートの攻撃者がアクセス コントロール ポリシーをバイパスしたり、サービス妨害(DoS)状態を引き起こしたりする可能性があります。
この脆弱性は、トラフィック検査時のシステム メモリ リソースの管理が不適切なことに起因しています。攻撃者は検査対象ソフトウェアに対する特定のトラフィック パターンを生成することで、脆弱性をエクスプロイトできます。エクスプロイトに成功すると、攻撃者はトラフィックの検査に使用されるシステム メモリ リソースを枯渇させることができます。設定によっては、FTD ソフトウェアがフェール オープンしてトラフィックの検査を終了したり、フェール クローズして DoS 状態が発生したりする可能性があります。本脆弱性では、ソフトウェアを復元するのに手動による介入が必要な場合があります。
シスコはこの脆弱性に対処するソフトウェアアップデートをリリースしています。本脆弱性に対処する回避策がいくつかあります。
このアドバイザリは、次のリンクより確認できます。
https://sec.cloudapps.cisco.com/security/center/content/CiscoSecurityAdvisory/cisco-sa-20190123-firepowertds-bypass
該当製品
脆弱性のある製品
この脆弱性は、Firepower 4100 または Firepower 9300 シリーズ プラットフォームで実行中の Cisco Firepower Threat Defense ソフトウェア リリース 6.3.0 にのみ影響を及ぼします。
脆弱な FTD ソフトウェア設定の確認
FTD ソフトウェアに脆弱な設定が含まれているかどうかは、アクセス コントロール ポリシーと一般的な設定から確認できます。設定に次のすべてが含まれている場合、今回の脆弱性の影響を受けます。
- URL フィルタリングを実行するか、またはファイル/マルウェア検査を起動するアクセス コントロール ルール
- 有効になっている SSL ハードウェア アクセラレーション(デフォルト設定)
- 暗号化されたトラフィックを処理するための関連 SSL ポリシーを指定しないアクセス コントロール ポリシーの詳細設定(デフォルト設定)
Cisco FirePOWER システム ソフトウェア リリースの確認
デバイスで実行中の Cisco FirePOWER システム ソフトウェア リリースを確認するために、管理者はデバイスにログインし、CLI で show version コマンドを使用してコマンドの出力を参照できます。デバイスが Cisco FirePOWER システム ソフトウェア リリース 6.3.0 を実行している場合、コマンドの出力例は次のようになります。
> show version
-------[ ftd.domain.com ]--------
Model : Cisco Firepower 4140 Threat Defense (76) Version 6.3.0 (Build 83)
UUID : 06870e8a-15a7-11e9-b733-a3ffca9e3696
Rules update version : 2019-01-14-001-vrt
VDB version : 299
----------------------------------------------------
脆弱性を含んでいないことが確認された製品
セキュリティ侵害の痕跡
この脆弱性のエクスプロイトにより、使用可能なシステム メモリが低下することがあります。管理者はshow blocksコマンドを発行できます。CNTカラムの使用可能なブロック数が増え、サイズ9344のメモリブロックが継続的に減少していることが示された場合、アクティブなエクスプロイトが行われている可能性があります。
# show blocks
SIZE MAX LOW CNT
0 2700 2693 2700
4 100 99 99
80 1196 1135 1196
256 4148 3953 4124
1550 6494 6405 6489
2048 100 100 100
2560 164 164 164
4096 100 100 100
8192 100 100 100
9344 48552 516 535
16384 100 100 100
65536 16 16 16
9344 のサイズのメモリ ブロックが減少することで、トラフィックの検査が終了し、ネットワーク ポリシーが適用されない可能性があります。このような状況を確認した場合は、脆弱性のエクスプロイトによってデバイスが侵害されていないかどうかを確かめるため、Cisco Technical Assistance Center(TAC)にご連絡ください。
回避策
SSL ポリシーが適用されていない場合、FTD ソフトウェア リリース 6.3.0 でデフォルトで有効になっている SSL ハードウェア アクセラレーションを無効にすると、この脆弱性が緩和されます。SSL ポリシーが有効になっている設定では脆弱性がありません。
管理者は CLI で system support ssl-hw-offload disable コマンドを発行して、SSL ハードウェア アクセラレーションを無効化できます。このコマンドによりデバイスが再起動します。
ftd# system support ssl-hw-offload disable
修正済みソフトウェア
シスコはこのアドバイザリに記載された脆弱性に対処する無償のソフトウェアアップデートをリリースしています。お客様がインストールしたりサポートを受けたりできるのは、ライセンスをご購入いただいたソフトウェア バージョンとフィーチャ セットに対してのみとなります。そのようなソフトウェアアップグレードをインストール、ダウンロード、アクセスまたはその他の方法で使用した場合、お客様は https://www.cisco.com/c/en/us/products/end-user-license-agreement.html に記載のシスコのソフトウェアライセンスの条項に従うことに同意したことになります。
また、お客様がソフトウェアをダウンロードできるのは、ソフトウェアの有効なライセンスをシスコから直接、あるいはシスコ認定リセラーやパートナーから取得している場合に限ります。通常、これは以前購入したソフトウェアのメンテナンス アップグレードです。無償のセキュリティ ソフトウェア アップデートによって、お客様に新しいソフトウェア ライセンス、追加ソフトウェア フィーチャ セット、またはメジャー リビジョン アップグレードに対する権限が付与されることはありません。
ソフトウェアのアップグレードを検討する際には、[シスコのセキュリティアドバイザリおよびアラート(Cisco Security Advisories and Alerts)] ページで入手できるシスコ製品のアドバイザリを定期的に参照して、侵害を受ける可能性と完全なアップグレード ソリューションを確認してください。
いずれの場合も、アップグレードするデバイスに十分なメモリがあること、および現在のハードウェアとソフトウェアの構成が新規リリースで引き続き正しくサポートされていることを十分に確認してください。不明な点については、Cisco Technical Assistance Center(TAC)もしくは契約しているメンテナンスプロバイダーにお問い合わせください。
サービス契約をご利用でないお客様
シスコから直接購入したがシスコのサービス契約をご利用いただいていない場合、また、サードパーティベンダーから購入したが修正済みソフトウェアを購入先から入手できない場合は、Cisco TAC(https://www.cisco.com/c/ja_jp/support/web/tsd-cisco-worldwide-contacts.html)に連絡してアップグレードを入手してください。
無償アップグレードの対象製品であることを証明していただくために、製品のシリアル番号と、本アドバイザリの URL をご用意ください。
修正済みリリース
次の表の左の列は、Cisco FirePOWER システム ソフトウェアのリリースを示しています。右側の列は、リリースがこのアドバイザリに記載されている脆弱性の影響を受けているかどうか、およびこの脆弱性に対する修正を含む最初のリリースを示しています。
Cisco FirePOWER システム ソフトウェア リリース | First Fixed Release(修正された最初のリリース) |
---|---|
6.1.0 | 脆弱性なし |
6.2.0 | 脆弱性なし |
6.2.1 | 脆弱性なし |
6.2.2 | 脆弱性なし |
6.2.3 | 脆弱性なし |
6.3.01 | 該当。6.3.0ホットフィックスBを適用 |
不正利用事例と公式発表
Cisco Product Security Incident Response Team(PSIRT)は、本アドバイザリに記載されている脆弱性の不正利用事例やその公表を確認していません。
出典
この脆弱性は Cisco TAC サポートケースの解決中に発見されました。
URL
改訂履歴
バージョン | 説明 | セクション | ステータス | 日付 |
---|---|---|---|---|
1.0 | 初回公開リリース | — | Final | 2019 年 1 月 23 日 |
利用規約
本アドバイザリは無保証のものとしてご提供しており、いかなる種類の保証も示唆するものではありません。 本アドバイザリの情報およびリンクの使用に関する責任の一切はそれらの使用者にあるものとします。 また、シスコは本ドキュメントの内容を予告なしに変更したり、更新したりする権利を有します。
本アドバイザリの記述内容に関して情報配信の URL を省略し、単独の転載や意訳を施した場合、当社が管理した情報とは見なされません。そうした情報は、事実誤認を引き起こしたり、重要な情報が欠落していたりする可能性があります。 このドキュメントの情報は、シスコ製品のエンドユーザを対象としています。