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日本語による情報は、英語による原文の非公式な翻訳であり、英語原文との間で内容の齟齬がある場合には、英語原文が優先します。
概要
Cisco 適応型セキュリティ アプライアンス(ASA)ソフトウェアの認可サブシステムの脆弱性により、認証されているものの権限がない(レベル 0 および 1)リモート攻撃者が Web 管理インターフェイスを使用して特権アクションを実行できる可能性があります。
この脆弱性の原因は、Web 管理インターフェイスを使用する際のユーザ権限の検証が不適切なことにあります。攻撃者は、権限のないユーザとして特定の HTTP 要求を該当デバイスに送信することにより、この脆弱性を不正利用する可能性があります。この不正利用により、攻撃者は、デバイスからファイル(使用中の設定を含む)を取得したり、デバイス上のソフトウェア イメージをアップロードまたは置き換えることができる場合があります。
シスコはこの脆弱性に対処するソフトウェアアップデートをリリースしています。本脆弱性に対処する回避策がいくつかあります。
このアドバイザリは、次のリンクより確認できます。
https://sec.cloudapps.cisco.com/security/center/content/CiscoSecurityAdvisory/cisco-sa-20181219-asa-privesc
該当製品
脆弱性のある製品
この脆弱性は、Web 管理アクセスが有効になっている任意のシスコ製品で実行されている Cisco ASA ソフトウェアに影響します。
Web 管理アクセスが設定されているかどうかの確認
管理者は show running-config http コマンドを使用して Web 管理アクセスが有効になっているかどうかを確認できます。次の例は、Web 管理機能が有効になっており、10.10.10.0/24 ネットワークから「Management」(管理)インターフェイスを介して Web 管理機能にアクセスできるデバイスに関するコマンドの出力を示しています。
ciscoasa# show running-config http
http server enable
http 10.10.10.0 255.255.255.0 Management
注:デバイスは、http <remote_ip_address> <remote_subnet_mask> <interface_name>コマンドで設定された範囲内のIPアドレスから送信された要求に対してのみ脆弱です。
Cisco ASA ソフトウェア リリースの確認
デバイスで実行中の Cisco ASA ソフトウェア リリースを確認するために、管理者はデバイスにログインし、CLI で show version コマンドを使用してコマンドの出力を参照できます。デバイスが Cisco ASA ソフトウェア リリース 9.4(4) を実行している場合は、コマンドの出力は次のようになります。
ciscoasa# show version | include Version Cisco Adaptive Security Appliance Software Version 9.4(4) Device Manager Version 7.4(1) . . .
デバイスが Cisco Adaptive Security Device Manager(ASDM)を使用して管理されている場合、管理者は Cisco ASDM ログイン ウィンドウまたは [Cisco ASDM ホーム(Cisco ASDM Home)] ペインの [デバイス ダッシュボード(Device Dashboard)] タブに表示される表のリリース情報を参照して、デバイスで実行中のリリースを確認することもできます。
脆弱性を含んでいないことが確認された製品
このアドバイザリの脆弱性のある製品セクションに記載されている製品のみが、この脆弱性の影響を受けることが分かっています。
シスコでは、Cisco Firepower Threat Defense(FTD)ソフトウェアがこの脆弱性の影響を受けないことを確認しています。
詳細
この脆弱性により、Cisco ASA でコマンド認可が無効になっている場合に、認証されているものの権限がない(レベル 0 および 1)ユーザが特権アクションを実行できる可能性があります。
コマンド認可が有効になっていない場合、ASA は、権限がない(レベル 0 および 1)ユーザと権限がある(レベル 2 〜 15)ユーザだけを区別します。権限がある(レベル 2 〜 15)ユーザは、イネーブル パスワードを知らなくても、Web 管理インターフェイスを介した ASA へのフル管理アクセスが可能であることが予期されます。ASA ではコマンド認可がデフォルトで無効になっています。
詳細については、Cisco ASA のコンフィギュレーション ガイドの AAA とローカル データベースに関する章を参照してください。
回避策
コマンド認可を有効にすると、この脆弱性の悪用を防ぐことができます。
注意事項
コマンド認可を有効にすると、Cisco ASA が権限レベルを解釈してアクションを認可する方法が大幅に変更されます。この機能を有効にしていない場合、管理者は、グローバル コンフィギュレーション モードで privilege コマンドを使用して、権限レベルごとに許可されるアクションを明確に定義する必要があります。これらのアクションを定義するまでは、aaa authorization command コマンドを使用してコマンド認可を有効にしないでください。
Adaptive Security Device Manager(ASDM)を使用して ASA を管理する場合は、ASDM を使用してコマンド認可を有効にすることをお勧めします。これにより、ASDM は、権限レベルごとに事前定義されたコマンド セットを ASA にプッシュできます。これらのコマンド セットが適切に提供されることで、コマンド認可を有効にした後も ASDM が適切に動作するようになります。
コマンド認可の詳細については、『Cisco ASA Series General Operations CLI Configuration Guide 』の「Management Access」の章と『Cisco ASA Series General Operations ASDM Configuration Guide』を参照してください。
修正済みソフトウェア
シスコはこのアドバイザリに記載された脆弱性に対処する無償のソフトウェアアップデートをリリースしています。お客様がインストールしたりサポートを受けたりできるのは、ライセンスをご購入いただいたソフトウェア バージョンとフィーチャ セットに対してのみとなります。そのようなソフトウェアアップグレードをインストール、ダウンロード、アクセスまたはその他の方法で使用した場合、お客様は以下のリンクに記載されたシスコのソフトウェアライセンスの条項に従うことに同意したことになります。
https://www.cisco.com/c/en/us/products/end-user-license-agreement.html
また、お客様がソフトウェアをダウンロードできるのは、ソフトウェアの有効なライセンスをシスコから直接、あるいはシスコ認定リセラーやパートナーから取得している場合に限ります。通常、これは以前購入したソフトウェアのメンテナンス アップグレードです。無償のセキュリティ ソフトウェア アップデートによって、お客様に新しいソフトウェア ライセンス、追加ソフトウェア フィーチャ セット、またはメジャー リビジョン アップグレードに対する権限が付与されることはありません。
ソフトウェアのアップグレードを検討する際には、[シスコのセキュリティアドバイザリおよびアラート(Cisco Security Advisories and Alerts)] ページで入手できるシスコ製品のアドバイザリを定期的に参照して、侵害を受ける可能性と完全なアップグレード ソリューションを確認してください。
いずれの場合も、アップグレードするデバイスに十分なメモリがあること、および現在のハードウェアとソフトウェアの構成が新規リリースで引き続き正しくサポートされていることを十分に確認してください。不明な点については、Cisco Technical Assistance Center(TAC)もしくは契約しているメンテナンスプロバイダーにお問い合わせください。
サービス契約をご利用でないお客様
シスコから直接購入したが Cisco Service Contract をご利用いただいていない場合、また、サードパーティベンダーから購入したが修正済みソフトウェアを POS から入手できない場合は、Cisco TAC に連絡してアップグレードを入手してください。
https://www.cisco.com/c/en/us/support/web/tsd-cisco-worldwide-contacts.html
無償アップグレードの対象製品であることを証明していただくために、製品のシリアル番号と、本アドバイザリの URL をご用意ください。
修正済みリリース
次の表に示すように、適切なリリースにアップグレードする必要があります。
Cisco ASA ソフトウェア リリース | CSCvm53531 に対する最初の修正済みリリース | CSCvn65527 に対する推奨の修正済みリリース |
---|---|---|
9.4 より前1 |
9.4.4.29 に移行 |
9.4.4.34 への移行 |
9.4 | 9.4.4.29 |
9.4.4.34 |
9.51 | 9.6.4.20 に移行 | 9.6.4.25 への移行 |
9.6 | 9.6.4.20 | 9.6.4.25 |
9.71 | 9.8.3.18 に移行 | 9.8.4 への移行 |
9.8 | 9.8.3.18 | 9.8.4 |
9.9 | 9.9.2.36 |
9.9.2.50 |
9.10 | 9.10.1.7 | 9.10.1.17 |
9.12 | 脆弱性なし |
脆弱性なし |
1 Cisco ASA ソフトウェアの 9.4 より前のリリース、Cisco ASA リリース 9.5、および 9.7 については、ソフトウェア メンテナンスが終了しています。お客様は、サポートされているリリースに移行する必要があります。
お客様は [すべて参照(Browse all)] をクリックして、[セキュリティ(Security)] > [ファイアウォール(Firewalls)] > [適応型セキュリティ アプライアンス(ASA)(Adaptive Security Appliances (ASA))] > [ASA 5500-X シリーズ ファイアウォール(ASA 5500-X Series Firewalls)] に移動し、ASA ハードウェア プラットフォームの一覧がある Cisco.com の Software Center からソフトウェアをダウンロードできます。プラットフォームを選択してから、[シャーシ上のソフトウェア(Software on Chassis)] > [適応型セキュリティ アプライアンス(ASA)ソフトウェア(Adaptive Security Appliance (ASA) Software)] を選択してください。これらのソフトウェア リリースの大半は、暫定版として表示されます。
注:CSCvm53531の修正を有効にするには、Web管理アクセスを有効にしているお客様は、AAA設定が正確で完全であることを確認する必要があります。特に、aaa authentication http console {LOCAL | <aaa-server>} コマンドが存在している必要があります。詳細については、Cisco ASA のコンフィギュレーション ガイドの ASDM 認証に関する項を参照してください。CSCvn65527 に対する修正には、もうこのような制限はありません。
不正利用事例と公式発表
Cisco Product Security Incident Response Team(PSIRT)は、本アドバイザリに記載されている脆弱性の不正利用事例やその公表を確認していません。
出典
シスコは、本脆弱性を報告いただいた Tenable 社の Ken Johnson 氏に謝意を表します。
URL
改訂履歴
バージョン | 説明 | セクション | ステータス | 日付 |
---|---|---|---|---|
1.1 | より完全な修正に関する情報を追加。 | 修正済みリリース | Final | 2019 年 5 月 1 日 |
1.0 | 初回公開リリース | — | Final | 2018 年 12 月 19 日 |
利用規約
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