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日本語による情報は、英語による原文の非公式な翻訳であり、英語原文との間で内容の齟齬がある場合には、英語原文が優先します。
概要
本脆弱性は、IPv6 パケットにフラグメント拡張ヘッダーが含まれる場合、それが適切に処理されないことに起因しています。攻撃者は、問題が発生するように仕組んだ IPv6 パケットを Trident ベース ライン カードに直接もしくはこのカードを経由して送信することで、本脆弱性を不正利用します。攻撃が成功した場合、Trident ベース ライン カードがリロードされ、その結果、ライン カードを再起動するまでの間、DoS 状態が発生することになります。
シスコはこの脆弱性に対処するソフトウェアアップデートをリリースしています。この脆弱性に対処する回避策はありません。
このアドバイザリは、次のリンクより確認できます。
https://sec.cloudapps.cisco.com/security/center/content/CiscoSecurityAdvisory/cisco-sa-20180131-ipv6
該当製品
脆弱性のある製品
- ルータで Cisco IOS XR ソフトウェア リリース 5.3.4 が実行されている。
- ルータに Trident ベース ライン カードが搭載されており、IPv6 で設定されている。
デバイス上で実行されている Cisco IOS XR ソフトウェア リリースとそれを実行しているデバイスの名前は、管理者がデバイスにログインして、CLI で show version コマンドを使用することにより確認できます。デバイスが Cisco IOS XR ソフトウェアを実行している場合、システム バナーに「Cisco IOS XR Software 」などのテキストが表示されます。デバイスで現在実行しているシステム イメージ ファイルの場所と名前は、「System image file is」の横に表示されます。ハードウェア製品の名前はシステム イメージ ファイル名の次の行に表示されます。
次に、Cisco IOS XR ソフトウェア リリース 5.3.4 が実行されているデバイスでの show version コマンドの出力例を示します。
RP/0/RSP0/CPU0:ASR9001#show version Wed Jan 24 01:32:32.751 EST Cisco IOS XR Software, Version 5.3.4[Default] Copyright (c) 2017 by Cisco Systems, Inc. ROM: System Bootstrap, Version 2.04(20140227:092320) [ASR9K ROMMON], ASR9001 uptime is 6 hours, 17 minutes System image file is "bootflash:disk0/asr9k-os-mbi-5.3.4.sp4-1.0.0/0x100000/mbiasr9k-rp.vm" cisco ASR9K Series (P4040) processor with 8388608K bytes of memory. P4040 processor at 1500MHz, Revision 2.0 ASR-9001 Chassis 2 Management Ethernet 8 TenGigE 20 GigabitEthernet 8 DWDM controller(s) 8 WANPHY controller(s) 44 GigabitEthernet/IEEE 802.3 interface(s) 219k bytes of non-volatile configuration memory. 2880M bytes of hard disk. 3932144k bytes of disk0: (Sector size 512 bytes). Configuration register on node 0/RSP0/CPU0 is 0x2102
デバイスに Trident ベース ライン カードが搭載されているかの確認
Cisco ASR 9000 シリーズ イーサネット ラインカードの第 1 世代は、通常 Trident ベース(またはイーサネット)ラインカードと呼ばれます。この用語は、これらのラインカードで使用されるネットワーク プロセッサ(NP)に由来します。影響を受ける Trident ベース ライン カードは、以下になります。以下に記載されていないライン カードは、本脆弱性の影響を受けません。
- A9K-40GE-L
- A9K-40GE-B
- A9K-40GE-E
- A9K-4T-L
- A9K-4T-B
- A9K-4T-E
- A9K-8T/4-L
- A9K-8T/4-B
- A9K-8T/4-E
- A9K-2T20GE-L
- A9K-2T20GE-B
- A9K-2T20GE-E
- A9K-8T-L
- A9K-8T-B
- A9K-8T-E
- A9K-16/8T-B
Tridentベースのラインカードの詳細については、次のURLでASR 9000シリーズラインカードタイプの資料を参照してください。https://www.cisco.com/c/en/us/support/docs/routers/asr-9000-series-aggregation-services-routers/116726-qanda-product-00.htmlRP/0/RSP0/CPU0:ASR9006-B#show diag | include PID: Tue Jan 26 00:07:09.406 EST PID: A9K-RSP440-SE PID: A9K-RSP440-SE PID: A9K-8X100GE-SE PID: A9K-8T-L PID: A9K-36X10GE-SE PID: A9K-MOD160-TR PID: A9K-MPA-8X10GE PID: A9K-MPA-8X10GE RP/0/RSP0/CPU0:ASR9006-B#
デバイスが IPv6 に対応する設定になっているかどうかの確認
管理者は show ipv6 interface brief コマンドを使用して、インターフェイスで IPv6 トラフィックの処理が有効になっているかを確認できます。IPv6 が処理できるように設定されたインターフェイスの例を次に示します。
RP/0/RP0/CPU0:router# show ipv6 interface brief GigabitEthernet0/2/0/0 [Up/Up] fe80::212:daff:fe62:c150 202::1 .
.
.
show ipv6 interface brief では、実行中の Cisco IOS XR ソフトウェア バージョンで IPv6 がサポートされていない場合、エラー メッセージが生成されます。また、IPv6 が無効になっている場合は、IPv6 アドレスを持つインターフェイスが一切表示されません。
インターフェイスがバンドルの一部や、VRF(Virtual Routing and Forwarding)インスタンスである場合は、IPv6 が処理できるように設定されていても、show ipv6 interface brief コマンドの出力に表示されない場合があります。このような場合は、show ipv6 vrf all interface コマンドを使用すれば、どのようなインターフェイスの設定についても確認できます。バンドルの一部となっているインターフェイス、または VRF インスタンスを割り当てられたインターフェイスが IPv6 で設定されている場合、show ipv6 vrf all interface コマンドの出力は次のようになります。
RP/0/RP0/CPU0:Router#show ipv6 vrf all interface .
.
. Bundle-Ether4.765 is Up, ipv6 protocol is Up, Vrfid is FDA (0x60000001) IPv6 is enabled, link-local address is fe80::21d:a2ff:aabb:ccdd Global unicast address(es): 2001:db8:1:1::1, subnet is 2001:db8:1:1::/64 Joined group address(es): ff02::1:ff00:0 ff02::1:aabb:ccdd ff02::2 ff02::1 MTU is 1518 (1500 is available to IPv6) ICMP redirects are disabled ICMP unreachables are enabled ND DAD is enabled, number of DAD attempts 1 ND reachable time is 0 milliseconds ND advertised retransmit interval is 0 milliseconds Hosts use stateless autoconfig for addresses. Outgoing access list is not set Inbound access list is not set Table Id is 0xe0800001
脆弱性を含んでいないことが確認された製品
Cisco アグリゲーション サービス ルータ(ASR)9000 シリーズで、Trident ベース ライン カードが搭載されていない場合、Cisco IOS XR ソフトウェア リリース 5.3.4 を実行していない場合、IPv6 を有効にしていない場合は影響を受けません。
他のデバイスで、Cisco IOS XR ソフトウェアを実行している場合は影響を受けません。
セキュリティ侵害の痕跡
これらのメッセージが実際の不正利用を示すものかどうか最終的に確認するには、ご利用のサポート担当までお問い合わせください。LC/0/6/CPU0:pfm_node_lc[285]: %PLATFORM-DIAGS-0-LC_NP_LOOPBACK_FAILED_RX_PATH : Set|online_diag_lc[163925]|Line card NPU loopback Test(0x2000006)|link failure mask is 0x20. LC/0/6/CPU0:prm_server_tr[296]: %PLATFORM-NP-0-INIT_ERR : *** Error 0xA0003F03 : prm_np_fast_reset : Channel 5 Config Start Fast Reset failed, line card will be reloaded LC/0/6/CPU0:prm_server_tr[296]: %PLATFORM-NP-4-FAULT : Line card needs to be reloaded, a reboot is being requested LC/0/5/CPU0:prm_server_tr[296]: %PLATFORM-NP-0-INIT_ERR : *** Error 0xA0003F03 : prm_np_fast_reset : Channel 5 Config Start Fast Reset failed, line card will be reloaded LC/0/5/CPU0:prm_server_tr[296]: %PLATFORM-NP-4-FAULT : Line card needs to be reloaded, a reboot is being requested LC/0/5/CPU0:syslog_dev[88]: prm_server_tr[296] PID-163922: reboot internal start: cause code 27 cause Fast Reset of the NP failed, LC reboot needed to recover the NP
回避策
修正済みソフトウェア
シスコはこのアドバイザリに記載された脆弱性に対処する無償のソフトウェアアップデートをリリースしています。お客様がインストールしたりサポートを受けたりできるのは、ライセンスをご購入いただいたソフトウェア バージョンとフィーチャ セットに対してのみとなります。そのようなソフトウェアアップグレードをインストール、ダウンロード、アクセスまたはその他の方法で使用した場合、お客様は以下のリンクに記載されたシスコのソフトウェアライセンスの条項に従うことに同意したことになります。
https://www.cisco.com/c/en/us/products/end-user-license-agreement.html
また、お客様がソフトウェアをダウンロードできるのは、ソフトウェアの有効なライセンスをシスコから直接、あるいはシスコ認定リセラーやパートナーから取得している場合に限ります。通常、これは以前購入したソフトウェアのメンテナンス アップグレードです。無償のセキュリティ ソフトウェア アップデートによって、お客様に新しいソフトウェア ライセンス、追加ソフトウェア フィーチャ セット、またはメジャー リビジョン アップグレードに対する権限が付与されることはありません。
ソフトウェアのアップグレードを検討する際には、[シスコのセキュリティアドバイザリおよびアラート(Cisco Security Advisories and Alerts)] ページで入手できるシスコ製品のアドバイザリを定期的に参照して、侵害を受ける可能性と完全なアップグレード ソリューションを確認してください。
いずれの場合も、アップグレードするデバイスに十分なメモリがあること、および現在のハードウェアとソフトウェアの構成が新規リリースで引き続き正しくサポートされていることを十分に確認してください。不明な点については、Cisco Technical Assistance Center(TAC)もしくは契約しているメンテナンスプロバイダーにお問い合わせください。
サービス契約をご利用でないお客様
シスコから直接購入したが Cisco Service Contract をご利用いただいていない場合、また、サードパーティベンダーから購入したが修正済みソフトウェアを POS から入手できない場合は、Cisco TAC に連絡してアップグレードを入手してください。
https://www.cisco.com/c/en/us/support/web/tsd-cisco-worldwide-contacts.html
無償アップグレードの対象製品であることを証明していただくために、製品のシリアル番号と、本アドバイザリの URL をご用意ください。
修正済みリリース
本脆弱性に対処するためのソフトウェア メンテナンス アップグレード(SMU)が用意されています。また、Cisco IOS XR ソフトウェア リリース 5.3.4 のサービス パック 7 にも修正が含まれています。IOS XR リリース | SMU ID | SMU/サービス パック名 |
5.3.4 | AA13804 | asr9k-px-5.3.4.CSCvg46800.tar |
5.3.4 | AA13870 | asr9k-px.5.3.4.sp7.tar |
SMU およびサービス パックは、Cisco.com の Software Center からダウンロードできます。SMU の場合は IOS XR Software Maintenance Upgrades (SMU)-5.3.4、サービス パックの場合は IOS XR Service Packs-5.3.4 に移動してください。
不正利用事例と公式発表
Cisco Product Security Incident Response Team(PSIRT)は、本アドバイザリに記載されている脆弱性の不正利用事例やその公表を確認していません。
出典
この脆弱性は Cisco TAC サポートケースの解決中に発見されました。
URL
改訂履歴
バージョン | 説明 | セクション | ステータス | 日付 |
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1.0 | 初回公開リリース | — | Final | 2018 年 1 月 31 日 |
利用規約
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