Critical
Critical
日本語による情報は、英語による原文の非公式な翻訳であり、英語原文との間で内容の齟齬がある場合には、英語原文が優先します。
概要
この脆弱性は TURN サーバの不適切なデフォルト設定に起因し、該当システムの内部インターフェイスおよび外部インターフェイスのポートが公開される可能性があります。使用する導入モデルと CMS サービスによっては、攻撃者は TURN サーバを使用して該当デバイスの Call Bridge、Web ブリッジ、またはデータベース クラスタに不正な接続を実行することにより、この脆弱性を不正利用する可能性があります。不正利用に成功すると、攻撃者は該当システムの Call Bridge またはデータベース クラスタに認証なしのアクセスを行うか、または該当システムの機密情報への不正アクセスを行う可能性があります。この脆弱性を不正利用するには、攻撃者は該当システムの TURN サーバの有効なクレデンシャルを得る必要があります。
シスコはこの脆弱性に対処するソフトウェアアップデートをリリースしています。この脆弱性に対処する回避策はありません。
このアドバイザリは、次のリンクより確認できます。
https://sec.cloudapps.cisco.com/security/center/content/CiscoSecurityAdvisory/cisco-sa-20170913-cmsturn
該当製品
脆弱性のある製品
この脆弱性は、Cisco Meeting Server(CMS)導入環境がリリース 2.0.16、2.1.11、または 2.2.6 より前のリリースの CMS ソフトウェアを実行していて、以下のすべての追加条件を満たしている場合、影響を与えます。
- 導入環境が CMS に組み込まれた TURN サーバを使用している。
- TURNサーバはTransport Layer Security(TLS)接続を使用します。メインボード管理プロセッサ(MMP)インターフェイスでは、TURNサーバで実行するようにTLSプロトコルが設定されます。
- TURN サーバが他の共存 CMS サービスと同じ仮想マシンで実行されている。
- TURN サーバが Call Bridge、Web ブリッジ、または CMS 導入環境内のデータベース クラスタに含まれるデータベース ノードと同じ仮想マシン上で実行されている。
管理者は CLI の version コマンドを使用して、デバイスで実行されている CMS ソフトウェア リリースを判別できます。次に、CMS ソフトウェア リリース 2.0.6 を実行しているデバイスのコマンド出力例を示します。
system> version
2_0_6
TURN サーバで TLS を実行するように設定するには、コンフィギュレーションに turn tls コマンドと turn certs コマンドが存在している必要があります。TURN サーバの MMP TLS 設定は、管理者が MMP コンソールで turn コマンドを発行することにより確認できます。
次に、TURN サーバに TLS が設定されていないシステムでの turn コマンドの出力例を示します。
cms> turn
Enabled : true
Username : cisco
Password : 1234
Realm : nicedet.com
Public IP : none
Relay address : 1.2.3.4
Listen interface a
次に、TURN サーバに TLS が設定されたシステムでの turn コマンドの出力例を示します。
cms> turn
Enabled : true Username : cisco Password : 1234 Realm : nicedet.com Public IP : none Relay address : 1.2.3.4 TLS port : 3479 TLS cert : turn.crt TLS key : turn.key TLS bundle : none Listen interface a
脆弱性を含んでいないことが確認された製品
他のシスコ製品において、このアドバイザリの影響を受けるものは現在確認されていません。
シスコは、この脆弱性が次の条件のいずれかを満たす CMS 導入環境には影響しないことを確認しました。
- 導入環境で TURN サーバを使用していない。
- 導入環境でサードパーティの TURN サーバを使用している。
- TURN サーバが他のサービスと共存しない専用 CMS 上で実行されている。
- TURN サーバで TLS 設定が無効にされている。
詳細
Cisco Meeting Server(CMS)は、会議室、デスクトップ、またはモバイル デバイスを介してアクセス可能なソフトウェアにビデオ、オーディオ、およびコンテンツ共有機能を組み込みます。CMS は、複数のシスコ ビデオ ルームにまたがって動作し、Skype for Business や他のハードウェア プロバイダーと接続して、シームレスな会議アーキテクチャを可能にします。この機能は、シスコと Acano(2016 年前半からシスコと連携)のコラボレーションにより実現しました。
CMS に組み込まれた TURN サーバには脆弱性があり、使用する導入モデルと CMS サービスによっては、認証されたリモート攻撃者が該当システム内のコンポーネントまたは機密情報への不正アクセスを行う可能性があります。この脆弱性は TURN サーバの不適切なデフォルト設定に起因し、該当システムの内部インターフェイスおよび外部インターフェイスのポートが公開される可能性があります。
TURN サーバが CMS Call Bridge と同じ仮想マシン上で実行されている(共存している)場合、攻撃者は認証なしで CMS ソフトウェアの Web 管理インターフェイスにアクセスする可能性があります。
TURN サーバが CMS Web ブリッジと共存している場合、攻撃者は会議のルックアップ メッセージを受け取る可能性があります。これには会議のコール ID とパスコードが含まれている場合があります。
TURN サーバが CMS データベース クラスタに含まれるデータベース ノードと共存している場合、攻撃者はそのクラスタのデータベースに認証なしでアクセスする可能性があります。
この脆弱性を不正利用するには、攻撃者は該当システムの TURN サーバの有効なクレデンシャルを得て認証される必要があります。
CMS TURN サーバの設定の詳細については、『Cisco Meeting Server Scalability & Resilience Server Deployment Guide』の「TURN Server」の項を参照してください。
回避策
修正済みソフトウェア
シスコはこのアドバイザリに記載された脆弱性に対処する無償のソフトウェアアップデートをリリースしています。お客様がインストールしたりサポートを受けたりできるのは、ライセンスをご購入いただいたソフトウェア バージョンとフィーチャ セットに対してのみとなります。そのようなソフトウェアアップグレードをインストール、ダウンロード、アクセスまたはその他の方法で使用した場合、お客様は https://www.cisco.com/en/US/docs/general/warranty/English/EU1KEN_.html に記載のシスコのソフトウェアライセンスの条項に従うことに同意したことになります。
また、お客様がソフトウェアをダウンロードできるのは、ソフトウェアの有効なライセンスをシスコから直接、あるいはシスコ認定リセラーやパートナーから取得している場合に限ります。通常、これは以前購入したソフトウェアのメンテナンス アップグレードです。無償のセキュリティ ソフトウェア アップデートによって、お客様に新しいソフトウェア ライセンス、追加ソフトウェア フィーチャ セット、またはメジャー リビジョン アップグレードに対する権限が付与されることはありません。
ソフトウェアのアップグレードを検討する際には、[シスコのセキュリティアドバイザリおよびアラート(Cisco Security Advisories and Alerts)] ページで入手できるシスコ製品のアドバイザリを定期的に参照して、侵害を受ける可能性と完全なアップグレード ソリューションを確認してください。
いずれの場合も、アップグレードするデバイスに十分なメモリがあること、および現在のハードウェアとソフトウェアの構成が新規リリースで引き続き正しくサポートされていることを十分に確認してください。不明な点については、Cisco Technical Assistance Center(TAC)もしくは契約しているメンテナンスプロバイダーにお問い合わせください。
サービス契約をご利用でないお客様
シスコから直接購入したがシスコのサービス契約をご利用いただいていない場合、また、サードパーティベンダーから購入したが修正済みソフトウェアを購入先から入手できない場合は、Cisco TAC(https://www.cisco.com/en/US/support/tsd_cisco_worldwide_contacts.html)に連絡してアップグレードを入手してください。
無償アップグレードの対象製品であることを証明していただくために、製品のシリアル番号と、本アドバイザリの URL をご用意ください。
修正済みリリース
この脆弱性は、CMS ソフトウェア リリース 2.0.16、2.1.11、2.2.6 以降で修正されました。お客様は、Cisco.com の Software Center にアクセスして [製品(Products)] > [会議(Conferencing)] > [ビデオ会議(Video Conferencing)] > [マルチパーティ会議(Multiparty Conferencing)] > [会議サーバ(Meeting Server)] に移動し、最新のソフトウェア リリースにアップグレードする必要があります。
CMSソフトウェアリリースモデルの詳細については、『Cisco Meeting Server:メンテナンスおよびサポート終了ポリシー』を参照してください。
推奨事項
不正利用事例と公式発表
Cisco Product Security Incident Response Team(PSIRT)は、本アドバイザリに記載されている脆弱性の不正利用事例やその公表を確認していません。
出典
本脆弱性は、シスコ内部でのセキュリティ テストによって発見されました。
URL
改訂履歴
バージョン | 説明 | セクション | ステータス | 日付 |
---|---|---|---|---|
1.0 | 初回公開リリース | — | Final | 2017 年 9 月 13 日 |
利用規約
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