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日本語による情報は、英語による原文の非公式な翻訳であり、英語原文との間で内容の齟齬がある場合には、英語原文が優先します。
概要
攻撃者は、巧妙に細工されたOSPFパケットを挿入することで、この脆弱性を不正利用する可能性があります。不正利用に成功すると、ターゲットルータがルーティングテーブルをフラッシュし、OSPF ASドメイン全体に細工されたOSPF LSAタイプ1アップデートを伝播する可能性があります。
この脆弱性を不正利用するには、攻撃者はターゲットルータのLSAデータベース内の特定のパラメータを正確に判別する必要があります。この脆弱性は、巧妙に細工されたユニキャストまたはマルチキャストOSPF LSAタイプ1パケットを送信することによってのみ引き起こされます。他のLSAタイプのパケットでは、この脆弱性を引き起こすことはできません。
Fabric Shortest Path First(FSPF)プロトコルは、この脆弱性の影響を受けません。
この脆弱性に対処する回避策があります。
このアドバイザリは、次のリンクより確認できます。
https://sec.cloudapps.cisco.com/security/center/content/CiscoSecurityAdvisory/cisco-sa-20170727-ospf
該当製品
脆弱性のある製品
注:この脆弱性は、OSPFマルチキャストアドレスをターゲットにするか、OSPF対応インターフェイスを直接ターゲットにすることでのみ引き起こすことができます。
FSPFはこの脆弱性の影響を受けません。
Cisco IOSおよびCisco IOS XEソフトウェア
Cisco IOSソフトウェアまたはCisco IOS XEソフトウェアを実行し、OSPFが設定されているシスコデバイスには脆弱性が存在します。OSPFが有効になっていないデバイスは、この脆弱性の影響を受けません。OSPFv3は、この脆弱性の影響を受けません。
Cisco IOSまたはCisco IOS XEデバイスでインターフェイスのOSPFが設定されているかどうかを確認するには、show ip ospf interfaceコマンドを使用します。OSPFが設定されていて、GigabitEthernet0/0/1インターフェイスで有効になっているCisco IOSデバイスでのshow ip ospf interfaceコマンドの出力例を次に示します。
Router# show ip ospf interface
GigabitEthernet0/0/1 is up, line protocol is up Internet Address 192.168.2.4/24, Area 0, Attached via Network Statement Process ID 1, Router ID 10.10.10.4, Network Type BROADCAST, Cost: 1 Topology-MTID Cost Disabled Shutdown Topology Name 0 1 no no Base Transmit Delay is 1 sec, State DR, Priority 1 . . .
シスコ製品上で実行されているCisco IOSまたはCisco IOS XEソフトウェアリリースは、管理者がデバイスにログインして、show versionコマンドを発行することにより確認できます。システムバナーに「Cisco Internetwork Operating System Software」や「Cisco IOS Software」などのテキストが表示されることで、デバイスでCisco IOSソフトウェアが稼働していることを確認できます。カッコ内にイメージ名が表示され、その後にバージョンとCisco IOSソフトウェアリリース名が続きます。他のシスコ デバイスでは、show version コマンドが存在しなかったり、別の出力が表示されたりします。
次の例は、シスコ製品でCisco IOSソフトウェアリリースが15.0(1)M1で、インストールされたイメージ名がC3900-UNIVERSALK9-Mであることを示しています。
Cisco IOSソフトウェアのリリース命名規則の追加情報は、『White Paper: Cisco IOS and NX-OS Software Reference Guide』で確認できます。Router# show version Cisco IOS Software, C3900 Software (C3900-UNIVERSALK9-M), Version 15.0(1)M1, RELEASE SOFTWARE (fc1) Technical Support: http://www.cisco.com/techsupport Copyright (c) 1986-2009 by cisco Systems, Inc. Compiled Wed 02-Dec-09 17:17 by prod_rel_team . . .
Cisco Adaptive Security Appliance
Cisco適応型セキュリティアプライアンス(ASA)ソフトウェアを実行し、OSPFが設定されているシスコデバイスには脆弱性が存在します。OSPFが有効になっていないデバイスは、この脆弱性の影響を受けません。OSPFv3は、この脆弱性の影響を受けません。
Cisco ASAデバイスが、インターフェイスでOSPFを使用して設定されているかどうかを確認するには、show ospf interface briefコマンドを使用します。次の例は、OSPFが設定されていて、内部インターフェイスが有効になっているCisco ASAデバイスでのshow ospf interface briefコマンドの出力です。
Cisco ASA、Cisco ASA-SM、またはCisco Pixセキュリティアプライアンスで実行されているソフトウェアのバージョンを確認するには、CLIでshow versionコマンドを使用します。show versionコマンドの出力例は次のとおりです。ciscoasa# show ospf interface brief Interface PID Area IP Address/Mask Cost State Nbrs F/C inside 1 1 10.10.10.1/255.255.255.0 10 WAIT 0/0 ciscoasa#
ciscoasa# show version | include Software Cisco Adaptive Security Appliance Software Version 9.3(1) ciscoasa#
Cisco NX-OS ソフトウェア
Cisco NX-OSソフトウェアを実行し、OSPFが設定されているシスコデバイスには脆弱性が存在します。OSPFが有効になっていないデバイスは、この脆弱性の影響を受けません。Cisco NX-OSデバイスでインターフェイスのOSPFが設定されているかどうかを確認するには、「Cisco IOSおよびCisco IOS XEソフトウェア」セクションの例に類似したshow ip ospf interfaceコマンドを使用します。Cisco Nexus 3000、5000、6000、7000、および9000シリーズデバイスで実行されているCisco NX-OSソフトウェアのバージョンを確認するには、CLIでshow versionコマンドを使用します。show versionコマンドの出力例は次のとおりです。
switch# show version | grep system: system: version 7.3(1)D1(1) switch#
Cisco Nexusデバイスの脆弱性を不正利用しても、Cisco Nexusデバイスのローカルルーティングテーブルには影響しません。ただし、Cisco Nexusデバイスは、細工されたLSAをインストールし、OSPFエリア内の他のデバイスに伝播します。同じOSPF ASの一部である他のルータに伝達された巧妙に細工されたLSAが、OSPF AS全体のルーティングテーブルに影響する可能性があります。
脆弱性を含んでいないことが確認された製品
シスコは、この脆弱性が以下のシスコ製品には影響を与えないことを確認しました。
- Cisco IOS XR ソフトウェア
- Cisco StarOS ソフトウェア
- Cisco Connected Grid ルータ
- Cisco Nexus 1000vシリーズ
詳細
OSPFプロトコルを実行する該当ネットワークデバイスは、巧妙に細工されたLSAタイプ1パケットを受信すると、この脆弱性の影響を受ける可能性があります。このパケットは確認応答される必要はなく、スプーフィングされたIPアドレスから発信できます。
攻撃者がこの脆弱性を不正利用するには、ターゲットルータのネットワーク配置とIPアドレス、LSA DBシーケンス番号、OSPF代表ルータ(DR)のルータIDなど、さまざまな要因を判別する必要があります。攻撃者がこの脆弱性を不正利用するには、すべての要因を知っている必要があります。
OSPFはマルチキャストパケットだけでなくユニキャストパケットも処理するため、この脆弱性はリモートから不正利用される可能性があり、ローカルセグメント上の複数のシステムを同時に標的にするために使用される可能性があります。「回避策」セクションで説明されているOSPF認証を使用すると、この脆弱性の影響を緩和できます。OSPF認証の使用は、この脆弱性の存在にかかわらず、セキュリティのベストプラクティスとして強く推奨されます。
一度処理されると、巧妙に細工されたLSAタイプ1パケットにより、ターゲットルータがルーティングテーブルの内容をフラッシュし、巧妙に細工されたLSAアップデートをOSPFエリア全体に伝播する可能性があります。同じエリアのOSPFメンバーのルータは、標的ルータによって伝搬される巧妙に細工されたLSAタイプ1パケットを処理してインストールすることで影響を受けます。これにより、OSPFルーティングテーブルに挿入された偽のルート、ブラックホールに送信されたトラフィック、または攻撃者によって制御される宛先にリダイレクトされたトラフィックなど、さまざまな結果が発生する可能性があります。
影響を受けたシステムを回復するために、管理者は影響を受けたデバイスからOSPF設定を削除し、再度有効にすることができます。あるいは、該当するシステムを回復するためにリロードが必要です。clear ip ospf processやclear ip routeなどのコマンドを使用してOSPFプロセスまたはルーティングテーブルをクリアしても効果はなく、該当するシステムの回復にこのコマンドを使用することはできません。
セキュリティ侵害の痕跡
この脆弱性の影響を受けるCisco IOS、Cisco IOS XE、Cisco NX-OSデバイスで実行したshow ip ospf databaseコマンドの出力を次に示します。
Router# show ip ospf database OSPF Router with ID (10.10.10.1) (Process ID 1) Router Link States (Area 0) Link ID ADV Router Age Seq# Checksum Link count 10.10.10.4 10.10.10.4 334 0x8000000E 0x00E29A 3 10.10.10.1 192.168.27.11 22 0x80000011 0x0062A8 3 10.10.10.2 10.10.10.2 298 0x80000018 0x00394A 2 10.10.10.3 10.10.10.3 305 0x80000020 0x00E715 3
この脆弱性の影響を受けるCisco ASAデバイスで実行したshow ospf databaseコマンドの出力を次に示します。
ciscoasa# show ospf databaseOSPF Router with ID (192.168.1.2) (Process ID 1)Router Link States (Area 0)Link ID ADV Router Age Seq# Checksum Link count
10.10.10.4 10.10.10.4 334 0x8000000E 0x00E29A 310.10.10.1 192.168.27.11 22 0x80000011 0x0062A8 310.10.10.2 10.10.10.2 298 0x80000018 0x00394A 210.10.10.3 10.10.10.3 305 0x80000020 0x00E715 3 . . .
注:該当するターゲットルータは、OSPFエリア全体に細工されたLSAを伝播します。この脆弱性の不正利用に成功すると、同じOSPFエリア内のすべてのルータで、OSPF LSAデータベースに細工されたLSAタイプ1エントリのコピーが作成されます。
回避策
OSPF認証についての詳細は、http://www.cisco.com/en/US/tech/tk365/technologies_configuration_example09186a0080094069.shtmlを参照してください。
修正済みソフトウェア
http://www.cisco.com/en/US/docs/general/warranty/English/EU1KEN_.html
また、お客様がソフトウェアをダウンロードできるのは、ソフトウェアの有効なライセンスをシスコから直接、あるいはシスコ認定リセラーやパートナーから取得している場合に限ります。通常、これは以前購入したソフトウェアのメンテナンス アップグレードです。無償のセキュリティ ソフトウェア アップデートによって、お客様に新しいソフトウェア ライセンス、追加ソフトウェア フィーチャ セット、またはメジャー リビジョン アップグレードに対する権限が付与されることはありません。
ソフトウェアのアップグレードを検討する際には、[シスコのセキュリティアドバイザリおよびアラート(Cisco Security Advisories and Alerts)] ページで入手できるシスコ製品のアドバイザリを定期的に参照して、侵害を受ける可能性と完全なアップグレード ソリューションを確認してください。
いずれの場合も、アップグレードするデバイスに十分なメモリがあること、および現在のハードウェアとソフトウェアの構成が新規リリースで引き続き正しくサポートされていることを十分に確認してください。不明な点については、Cisco Technical Assistance Center(TAC)もしくは契約しているメンテナンスプロバイダーにお問い合わせください。
サービス契約をご利用でないお客様
シスコから直接購入したがシスコのサービス契約をご利用いただいていない場合、また、サードパーティベンダーから購入したが修正済みソフトウェアを購入先から入手できない場合は、Cisco TAC(http://www.cisco.com/en/US/support/tsd_cisco_worldwide_contacts.html)に連絡してアップグレードを入手してください。無償アップグレードの対象製品であることを証明していただくために、製品のシリアル番号と、本アドバイザリの URL をご用意ください。
Cisco IOS および IOS XE ソフトウェア
お客様がCisco IOSソフトウェアおよびIOS XEソフトウェアの脆弱性による侵害を受ける可能性を判断できるように、シスコではCisco IOS Software Checkerツールを提供しています。このツールによって、特定のソフトウェアリリースに影響を与えるシスコセキュリティアドバイザリと、各アドバイザリで説明されている脆弱性を修正する最初のリリース(初回修正)を特定できます。必要に応じて、このツールは、特定されたすべてのアドバイザリに記載されているすべての脆弱性を修正する最初のリリース(総合初回修正)も返します。このツールを使用して次のタスクを実行できます。
- ドロップダウン メニューからリリース(複数可)を選択するか、分析対象となるローカル システムからファイルをアップロードして、検索を開始する
- show version コマンドの出力をツールで解析する
- カスタマイズした検索(過去に公開されたすべてのシスコ セキュリティ アドバイザリを検索対象に入れたり、特定のアドバイザリのみ、または最新のバンドル資料のすべてのアドバイザリを含めるなど)を作成する
リリースが、公開されたシスコセキュリティアドバイザリのいずれかに該当するかどうかを確認するには、Cisco.comのCisco IOS Software Checkerを使用するか、以下のフィールドにCisco IOSソフトウェアまたはCisco IOS XEソフトウェアリリース(たとえば、15.1(4)M2、3.1.4Sなど)を入力します。
Cisco IOS XEソフトウェアリリースとCisco IOSソフトウェアリリースのマッピングについては、Cisco IOS XEソフトウェアのリリースに応じて「Cisco IOS XE 2 Release Notes」、「Cisco IOS XE 3S Release Notes」、または「Cisco IOS XE 3SG Release Notes」を参照してください。
Cisco ASA、Cisco FTD、およびCisco NX-OSソフトウェア
修正済みソフトウェア リリースの詳細については、本アドバイザリ上部の Cisco Bug ID を参照ください。推奨事項
不正利用事例と公式発表
Cisco Product Security Incident Response Team(PSIRT)は、本アドバイザリに記載されている脆弱性の不正利用事例やその公表を確認していません。
出典
URL
改訂履歴
バージョン | 説明 | セクション | ステータス | 日付 |
---|---|---|---|---|
2.0 | 脆弱性のある製品情報を更新し、Nexus 9000デバイス、Nexus 3000デバイス、およびOSPFv3が設定されたNX-OSソフトウェアを含めました。 | 該当製品 | Final | 2017年8月3日 |
1.1 | Cisco IOS Software Checker へのリンクを追加しました。 | 修正済みソフトウェア | Final | 2017年7月28日 |
1.0 | 初回公開リリース | — | Final | 2017年7月27日 |
利用規約
本アドバイザリは無保証のものとしてご提供しており、いかなる種類の保証も示唆するものではありません。 本アドバイザリの情報およびリンクの使用に関する責任の一切はそれらの使用者にあるものとします。 また、シスコは本ドキュメントの内容を予告なしに変更したり、更新したりする権利を有します。
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