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日本語による情報は、英語による原文の非公式な翻訳であり、英語原文との間で内容の齟齬がある場合には、英語原文が優先します。
概要
これらの脆弱性は、該当デバイス宛てに巧妙に細工された EnergyWise パケットの不適切な解析に起因します。攻撃者は、該当デバイスに処理されるよう巧妙に細工した EnergyWise パケットを送信することにより、この脆弱性を不正利用する可能性があります。この不正利用により、攻撃者は該当デバイスでバッファ オーバーフロー状態またはリロードを引き起こして、DoS 状態を発生させることができます。
シスコはこれらの脆弱性に対処するソフトウェアアップデートをリリースしています。これらの脆弱性に対処する回避策はありません。
このアドバイザリは、次のリンクより確認できます。
https://sec.cloudapps.cisco.com/security/center/content/CiscoSecurityAdvisory/cisco-sa-20170419-energywise
該当製品
Cisco EnergyWise ネットワークで EnergyWise はドメインの受電デバイス(シスコ ネットワーク デバイス、Power over Ethernet(PoE)エンドポイント、ソフトウェア開発キット(SDK)を使用して構築されたエージェントを実行するエンドポイントなど)の電力使用のモニタと管理を行います。
脆弱性のある製品
該当するリリースの Cisco IOS ソフトウェアまたは Cisco IOS XE ソフトウェアを実行し、EnergyWise 運用が設定されているシスコ デバイスは、これらの脆弱性の影響を受けます。脆弱性が存在する Cisco IOS ソフトウェアおよび Cisco IOS XE ソフトウェアのリリースについての詳細は、このアドバイザリの「修正済みソフトウェア」の項を参照してください。
Cisco IOS ソフトウェアおよび Cisco IOS XE ソフトウェアは IPv4 通信向けの EnergyWise をサポートします。EnergyWise ドメイン メンバーとして設定されたデバイスに送信される IPv4 パケットに限り、これらの脆弱性が不正利用される可能性があります。IPv6 パケットで、これらの脆弱性が不正利用されることはありません。
攻撃者は、TCP または UDP ポート 43440 で送信された IPv4 パケットを使用してこれらの脆弱性を不正利用します。この不正利用により、バッファ オーバーフロー状態またはソフトウェアのリロードが引き起こされ、DoS 状態につながる可能性があります。
Cisco IOS デバイスおよび Cisco IOS XE デバイスで EnergyWise 機能はデフォルトでは有効になっていません。
Cisco IOS デバイスで EnergyWise が設定されているかどうかを確認するには、show run | include energywise コマンドを使用します。以下に、 Cisco IOS デバイスでの show run | include energywise コマンドの出力例を示します。この例では、デバイスに EnergyWise 運用を有効化するために必要な最小限のドメイン設定がされています。デバイスで追加の EnergyWise 機能が有効になっていると、異なる結果が表示されることがあります。
Router# show run | include energywise
energywise domain test_domain security shared-secret 0 test123
Cisco IOS ソフトウェア リリースの判別
デバイス上で実行されている Cisco IOS ソフトウェア リリースは、管理者がデバイスにログインして、CLI で show version コマンドを使用し、表示されるシステム バナーを参照することにより確認できます。デバイスが Cisco IOS ソフトウェアを実行している場合、システム バナーに「Cisco Internetwork Operating System Software」や「Cisco IOS Software」などのテキストが表示されます。バナーにはインストールされたイメージ名もカッコ内に表示され、その後ろに、Cisco IOS ソフトウェアのリリース番号とリリース名が表示されます。一部のシスコ デバイスでは、show version コマンドをサポートしていなかったり、別の出力が表示されたりします。
次に、Cisco IOS ソフトウェア リリース 15.5(2)T1 が実行されていて、インストールされているイメージ名が C2951-UNIVERSALK9-M であるデバイスでのコマンド出力例を示します。
Router> show version Cisco IOS Software, C2951 Software (C2951-UNIVERSALK9-M), Version 15.5(2)T1, RELEASE SOFTWARE (fc1) Technical Support: http://www.cisco.com/techsupport Copyright (c) 1986-2015 by Cisco Systems, Inc. Compiled Mon 22-Jun-15 09:32 by prod_rel_team . . .
Cisco IOS ソフトウェアリリースの命名と番号付けの規則に関する詳細は、『White Paper: Cisco IOS and NX-OS Software Reference Guide』を参照してください。
Cisco IOS XE ソフトウェア リリースの判別
デバイス上で実行されている Cisco IOS XE ソフトウェア リリースは、管理者がデバイスにログインして、CLI で show version コマンドを実行し、表示されるシステム バナーを参照することにより確認できます。デバイスが Cisco IOS XE ソフトウェアを実行している場合、システム バナーに「Cisco IOS Software」、「Cisco IOS XE Software」などのテキストが表示されます。
次に、Cisco IOS XR ソフトウェア リリース 16.2.1 が実行されていて、インストールされているイメージ名が CAT3K_CAA-UNIVERSALK9-M であるデバイスでのコマンドの出力例を示します。
ios-xe-device# show version Cisco IOS Software, Catalyst L3 Switch Software (CAT3K_CAA-UNIVERSALK9-M), Version Denali 16.2.1, RELEASE SOFTWARE (fc1) Technical Support: http://www.cisco.com/techsupport Copyright (c) 1986-2016 by Cisco Systems, Inc. Compiled Sun 27-Mar-16 21:47 by mcpre . . .
Cisco IOS XE ソフトウェアリリースの命名と番号付けの規則に関する詳細は、『White Paper: Cisco IOS and NX-OS Software Reference Guide』を参照してください。
脆弱性を含んでいないことが確認された製品
Cisco EnergyWise Suite(旧称:JouleX Energy Manager ソリューション)に含まれる製品とサービスは、これらの脆弱性の影響を受けません。
データセンター用 Cisco EnergyWise Management、オフィス用 Cisco EnergyWise Management、Cisco EnergyWise Discovery Service、Cisco EnergyWise Optimization Service は、これらの脆弱性の影響を受けません。
シスコは、この脆弱性が Cisco IOS XR ソフトウェアおよび Cisco NX-OS ソフトウェアには影響を与えないことを確認しました。
詳細
Cisco EnergyWise ドメイン メンバーは、次の 3 つの独立した通信チャネルで他の EnergyWise 対応デバイスと通信します。
- Cisco Discovery Protocol または UDP メッセージ(ネイバー探索用)
- 管理対象アプリケーション用 TCP パケット
- EnergyWise 対応エンドポイントに送信される制御メッセージ用 TCP パケット
Cisco Discovery Protocol または UDP メッセージ
Cisco EnergyWise ドメイン メンバーは、Cisco Discovery Protocol(CDP)が有効化されている場合は CDP を使用し、有効化されていない場合は EnergyWise UDP メッセージを使用して、自動ネイバー探索を行います。EnergyWise ドメイン メンバーでは、デフォルトで UDP ポート 43440 が有効になっています。
ネイバー探索パケットを使って脆弱性を不正利用できるのは、パケットが UDP ポート 43440 で送信された場合に限られます。
注:EnergyWiseデバイスがリッスンするUDPポート番号を変更するには、energywise domain domain-name security shared-secret 0 secret protocol udp [port udp-port-number]コマンドを使用します。
管理対象アプリケーション用 TCP パケット
ドメイン メンバーは、Cisco EnergyWise Management API(MAPI)が設定された管理ポートを使用することもできます。MAPI を使用するアプリケーションは、ドメイン メンバーで設定された管理ポートに接続し、そのポートを使用して管理ワークステーションとドメイン メンバー間の通信を行います。
管理ポートは、デフォルトでは有効化されていません。このオプションは、管理者が energywise management security shared-secret 0 shared-secret コマンドを使用することにより設定できます。この設定はデフォルトで TCP ポート 43440 になっています。
管理ポートが設定されている場合に、この脆弱性が不正利用されるのは、TCP ポート 43440 に送信される管理パケットに限られます。
注:EnergyWiseデバイスが管理通信用にリッスンするTCPポート番号を変更するには、energywise management security shared-secret 0 shared-secret [port tcp-port-number]コマンドを使用します。デフォルトでは TCP ポート 43440 になっています。
制御メッセージ用 TCP パケット
Cisco EnergyWise ドメイン メンバーは、PoE エンドポイント、および SDK を使用して構築されたエージェントを実行するエンドポイントにクエリや制御メッセージを送信するように設定することもできます。
ドメイン メンバーおよびエンドポイントは、AC 電源、DC 電源、または電源モジュールから電力を受け取ることができます。PoE ドメイン メンバーおよびエンドポイントは、PoE スイッチまたは Cisco EtherSwitch サービス モジュールからも電力を受け取ることができます。
Cisco EnergyWiseドメインメンバーは、設定コマンドenergywise endpoint security shared-secretを使用して、エンドポイントと通信するように設定できます。
設定した場合、EnergyWise エンドポイントの通信に TCP ポート 43440 が使用されます。EnergyWise エンドポイント通信は、デフォルトでは有効化されていません。
EnergyWise エンドポイント通信を設定した場合、この脆弱性が不正利用されるのは、TCP ポート 43440 でエンドポイントに送信されるパケットに限られます。
注:エンドポイント通信用に設定されたEnergyWiseドメインメンバーは、管理に使用されるのと同じTCPソケットでリッスンします。EnergyWise 管理機能が設定されていない場合、エンドポイント通信に使用されるデフォルトの TCP ポートを変更することはできません。
セキュリティ侵害の痕跡
回避策
修正済みソフトウェア
シスコはこのアドバイザリに記載された脆弱性に対処する無償のソフトウェアアップデートをリリースしています。お客様がインストールしたりサポートを受けたりできるのは、ライセンスをご購入いただいたソフトウェア バージョンとフィーチャ セットに対してのみとなります。そのようなソフトウェアアップグレードをインストール、ダウンロード、アクセスまたはその他の方法で使用した場合、お客様は以下のリンクに記載されたシスコのソフトウェアライセンスの条項に従うことに同意したことになります。
https://www.cisco.com/c/en/us/products/end-user-license-agreement.html
また、お客様がソフトウェアをダウンロードできるのは、ソフトウェアの有効なライセンスをシスコから直接、あるいはシスコ認定リセラーやパートナーから取得している場合に限ります。通常、これは以前購入したソフトウェアのメンテナンス アップグレードです。無償のセキュリティ ソフトウェア アップデートによって、お客様に新しいソフトウェア ライセンス、追加ソフトウェア フィーチャ セット、またはメジャー リビジョン アップグレードに対する権限が付与されることはありません。
ソフトウェアのアップグレードを検討する際には、[シスコのセキュリティアドバイザリおよびアラート(Cisco Security Advisories and Alerts)] ページで入手できるシスコ製品のアドバイザリを定期的に参照して、侵害を受ける可能性と完全なアップグレード ソリューションを確認してください。
いずれの場合も、アップグレードするデバイスに十分なメモリがあること、および現在のハードウェアとソフトウェアの構成が新規リリースで引き続き正しくサポートされていることを十分に確認してください。不明な点については、Cisco Technical Assistance Center(TAC)もしくは契約しているメンテナンスプロバイダーにお問い合わせください。
サービス契約をご利用でないお客様
シスコから直接購入したが Cisco Service Contract をご利用いただいていない場合、また、サードパーティベンダーから購入したが修正済みソフトウェアを POS から入手できない場合は、Cisco TAC に連絡してアップグレードを入手してください。
https://www.cisco.com/c/en/us/support/web/tsd-cisco-worldwide-contacts.html
無償アップグレードの対象製品であることを証明していただくために、製品のシリアル番号と、本アドバイザリの URL をご用意ください。
Cisco IOS および IOS XE ソフトウェア
お客様が Cisco IOS ソフトウェアおよび IOS XE ソフトウェアの脆弱性による侵害の可能性を判断するため、シスコは Cisco IOS Software Checker ツールを提供しています。このツールを使用すると、特定のソフトウェア リリースに該当するシスコ セキュリティ アドバイザリ、および各アドバイザリで説明されている脆弱性が修正された最初のリリース(「First Fixed」)を特定できます。また該当する場合、そのリリースに関するすべてのアドバイザリの脆弱性が修正された最初のリリース(「Combined First Fixed」)を特定できます。
このツールを使用して次のタスクを実行できます。
- ドロップダウン メニューからリリース(複数可)を選択するか、分析対象となるローカル システムからファイルをアップロードして、検索を開始する
- show version コマンドの出力をツールで解析する
- カスタマイズした検索(過去に公開されたすべてのシスコ セキュリティ アドバイザリを検索対象に入れたり、特定のアドバイザリのみ、または最新のバンドル資料のすべてのアドバイザリを含めるなど)を作成する
リリースが、公開されたシスコ セキュリティ アドバイザリのいずれかに該当するかどうかを確認するには、Cisco.com の Cisco IOS Software Checker を使用するか、以下のフィールドに Cisco IOS ソフトウェアまたは Cisco IOS XE ソフトウェアリリース(たとえば、15.1(4)M2、3.13.8S など)を入力します。
Cisco IOS XE ソフトウェア リリースと Cisco IOS ソフトウェア リリースのマッピングについては、Cisco IOS XE ソフトウェアのリリースに応じて「Cisco IOS XE 2 Release Notes」、「Cisco IOS XE 3S Release Notes」、または「Cisco IOS XE 3SG Release Notes」を参照してください。
不正利用事例と公式発表
Cisco Product Security Incident Response Team(PSIRT)では、本アドバイザリに記載されている脆弱性のエクスプロイト事例とその公表は確認しておりません。
出典
本脆弱性は、シスコ内部でのシステム セキュリティ テストによって発見されました。
URL
改訂履歴
バージョン | 説明 | セクション | ステータス | 日付 |
---|---|---|---|---|
1.1 | 脆弱性のあるリリースがさらに確認されました。脆弱性のあるリリースについては、修正済みソフトウェアのセクションに記載の Cisco IOS Software Checker に関する情報を参照してください。CVRF が更新されました。 | メタデータ | Final | 2018 年 3 月 22 日 |
1.0 | 初回公開リリース | — | Final | 2017 年 4 月 19 日 |
利用規約
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