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日本語による情報は、英語による原文の非公式な翻訳であり、英語原文との間で内容の齟齬がある場合には、英語原文が優先します。
概要
この脆弱性は、IPv6拡張ヘッダーを含むIPv6パケットの不適切な処理に起因します。これらのヘッダーは有効ですが、通常の運用時に見られる可能性は低いです。攻撃者は、IPv6トラフィックを処理するように設定された該当デバイスにIPv6パケットを送信することで、この脆弱性を不正利用する可能性があります。この不正利用により、攻撃者はラインカードのリロードを引き起こし、その結果DoS状態が発生する可能性があります。
シスコはこの脆弱性に対処するソフトウェアアップデートをリリースしています。この脆弱性を軽減する回避策はありません。
このアドバイザリは、次のリンクより確認できます。
https://sec.cloudapps.cisco.com/security/center/content/CiscoSecurityAdvisory/cisco-sa-20150611-iosxr
該当製品
脆弱性のある製品
1)シャーシに次のいずれかのラインカードが取り付けられている。
- CRS-MSC-140G:Cisco CRS-3モジュラサービスカード(140G)
- CRS-FP140:Cisco CRS-3フォワーディングプロセッサカード(140 Gbps)
- CRS-LSP:Cisco CRS-3ラベルスイッチプロセッサ
3)上記のリストに挙げたいずれかのラインカードが、IPv6トラフィックを処理するように設定されている。
管理者はshow diagコマンドを使用して、該当するラインカードがCisco CRS-3 Carrier Routing System(CRS)デバイスにインストールされているかどうかを確認できます。次の出力は、CRS-MSC-140GラインカードがインストールされているCisco CRS-3キャリアルーティングシステムデバイスを示しています。RP/0/RP0/CPU0:router#sh diag Thu Jun 4 14:53:25.229 EDT CARD 0/0/* : Cisco CRS Series Modular Services Card 140G MAIN: board type 500064 800-32942-06 rev B0 dev N/A S/N SAX99999ZZZ PCA: 73-12720-06 rev A0 PID: CRS-MSC-140G VID: V03 CLEI: IPUCAZYBAC ECI: 180032
<output truncated>
管理者は、show versionコマンドを使用して、デバイスで実行されているCisco IOS XRリリースを確認できます。Cisco IOS XRが稼働しているデバイスでは、show versionコマンドの出力に「Cisco IOS XR」という文字列が含まれます。次の例は、Cisco IOS XRリリース4.1.2を実行しているデバイスを示しています。
RP/0/RP0/CPU0:router#sh version Thu Jun 4 14:56:06.484 EDT Cisco IOS XR Software, Version 4.1.2[Default] Copyright (c) 2012 by Cisco Systems, Inc. ROM: System Bootstrap, Version 2.05(20110622:151317) [CRS ROMMON], router uptime is 2 years, 11 weeks, 5 days, 10 hours, 22 minutes System image file is "disk0:hfr-os-mbi-4.1.2.CSCtw71819-1.0.0/0x100008/mbihfr-rp-x86e.vm" cisco CRS-16/S (Intel 686 F6M14S4) processor with 12582912K bytes of memory. Intel 686 F6M14S4 processor at 2130Mhz, Revision 2.174 Cisco CRS Series 16 Slots Line Card Chassis
<output truncated>
管理者は show ipv6 interface brief コマンドを使用して、インターフェイスで IPv6 トラフィックの処理が有効になっているかを確認できます。IPv6 が処理できるように設定されたインターフェイスの例を次に示します。
RP/0/RP0/CPU0:router# show ipv6 interface brief GigabitEthernet0/2/0/0 [Up/Up] fe80::212:daff:fe62:c150 202::1 <output truncated>
show ipv6 interface briefコマンドは、実行中のCisco IOS XRソフトウェアのバージョンがIPv6をサポートしていない場合、エラーメッセージを生成します。また、IPv6 が無効になっている場合は、IPv6 アドレスを持つインターフェイスが一切表示されません。
インターフェイスがバンドルの一部や、VRF(Virtual Routing and Forwarding)インスタンスである場合は、IPv6 が処理できるように設定されていても、show ipv6 interface brief コマンドの出力に表示されない場合があります。このような場合は、show ipv6 vrf all interface コマンドを使用すれば、どのようなインターフェイスの設定についても確認できます。バンドルの一部となっているインターフェイス、または VRF インスタンスを割り当てられたインターフェイスが IPv6 で設定されている場合、show ipv6 vrf all interface コマンドの出力は次のようになります。
RP/0/RP0/CPU0:router#sh ipv6 vrf all interface Thu Jun 4 15:12:11.170 EDT <output truncated> Bundle-Ether4.765 is Up, ipv6 protocol is Up, Vrfid is FDA (0x60000001) IPv6 is enabled, link-local address is fe80::21d:a2ff:aabb:ccdd Global unicast address(es): 2001:db8:1:1::1, subnet is 2001:db8:1:1::/64 Joined group address(es): ff02::1:ff00:0 ff02::1:aabb:ccdd ff02::2 ff02::1 MTU is 1518 (1500 is available to IPv6) ICMP redirects are disabled ICMP unreachables are enabled ND DAD is enabled, number of DAD attempts 1 ND reachable time is 0 milliseconds ND advertised retransmit interval is 0 milliseconds Hosts use stateless autoconfig for addresses. Outgoing access list is not set Inbound access list is not set Table Id is 0xe0800001 <output truncated>
脆弱性を含んでいないことが確認された製品
他のシスコ製品において、このアドバイザリの影響を受けるものは現在確認されていません。
詳細
この脆弱性は、IPv6拡張ヘッダーを含むIPv6パケットの不適切な処理に起因します。これらのヘッダーは有効ですが、通常の運用時に見られる可能性は低いです。攻撃者は、IPv6トラフィックを処理するように設定された該当デバイスにIPv6パケットを送信することで、この脆弱性を不正利用する可能性があります。この不正利用により、攻撃者はラインカードのリロードを引き起こし、その結果DoS状態が発生する可能性があります。
このアドバイザリの「脆弱性のある製品」セクションに記載されているすべての条件を満たすCisco CRS-3キャリアルーティングシステムデバイスは、この脆弱性の影響を受けます。
この脆弱性は、IPv6中継トラフィックまたはデバイス自体を宛先とするIPv6トラフィックによってトリガーされる可能性があります。
この脆弱性が繰り返し悪用されると、長時間にわたってDoS状態が発生する可能性があります。
この脆弱性は、Cisco Bug ID CSCtx03546(登録ユーザ専用)として文書化され、Common Vulnerabilities and Exposures(CVE)IDとしてCVE-2015-0769が割り当てられています。
回避策
修正済みソフトウェア
ソフトウェアのアップグレードを検討する場合は、http://www.cisco.com/go/psirt の Cisco Security Advisories, Responses, and Alerts アーカイブや、後続のアドバイザリを参照して侵害の可能性と完全なアップグレード ソリューションを確認してください。
いずれの場合も、アップグレードするデバイスに十分なメモリがあること、および現在のハードウェアとソフトウェアの構成が新規リリースで引き続き正しくサポートされていることを十分に確認してください。不明な点については、Cisco Technical Assistance Center(TAC)もしくは契約しているメンテナンスプロバイダーにお問い合わせください。
次のCisco IOS XRリリースがこの脆弱性の影響を受けます。
- Cisco IOS XRリリース4.0.1、4.0.2、4.0.3、および4.0.4
- Cisco IOS XRリリース4.1.0、4.1.1、および4.1.2
- Cisco IOS XR リリース 4.2.0
この脆弱性は、次のソフトウェアメンテナンスアップデート(SMU)で修正されています。
- hfr-px-4.1.0.CSCtx03546.pie(リリース4.1.0用)
- hfr-px-4.1.1.CSCtx03546.pie(リリース4.1.1用)
- hfr-px-4.1.2.CSCtx03546.pie(リリース4.1.2用)
- hfr-px-4.2.0.CSCtx03546.pie(リリース4.2.0用)
詳細については、各SMUに関連するREADMEファイルを参照してください。
Cisco IOS XRリリース4.0.1、4.0.2、4.0.3、または4.0.4をご使用のお客様は、現在サポートされているリリースにアップグレードする必要があります。
Cisco IOS XRリリース4.2.1以降には、この脆弱性に対する修正がすでに含まれています。アップグレードやSMUのインストールは必要ありません。
推奨事項
不正利用事例と公式発表
Cisco Product Security Incident Response Team(PSIRT)は、本アドバイザリに記載されている脆弱性の不正利用事例やその公表を確認していません。
この脆弱性はシスコ内部で発見されました。URL
改訂履歴
リビジョン 1.0 | 2015年6月11日 | 初版リリース |
利用規約
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