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日本語による情報は、英語による原文の非公式な翻訳であり、英語原文との間で内容の齟齬がある場合には、英語原文が優先します。
概要
この脆弱性は、VRF対応インターフェイスで受信された悪意のあるICMPバージョン4(ICMPv4)メッセージを適切に処理できないことに起因します。攻撃者は、該当デバイスで脆弱性をトリガーするように設計されたICMPv4メッセージを送信することで、この脆弱性を不正利用する可能性があります。ICMPv4メッセージが処理されると、影響を受けるインターフェイスのパケットキューがクリアされず、キューウェッジが発生する場合があります。ウェッジが発生すると、影響を受けるデバイスは、ウェッジされたインターフェイスで受信された追加パケットの処理を停止します。
シスコはこの脆弱性に対処するソフトウェアアップデートをリリースしています。これらの脆弱性に対しては回避策がありません。
このアドバイザリは、次のリンクより確認できます。
https://sec.cloudapps.cisco.com/security/center/content/CiscoSecurityAdvisory/cisco-sa-20150325-wedge
注: 2015年3月25日のCisco IOSおよびXEソフトウェアセキュリティアドバイザリバンドル公開には7件のCisco Security Advisoryが含まれています。これらのアドバイザリは Cisco IOS ソフトウェアおよび Cisco IOS XE ソフトウェアの脆弱性を扱っています。個々の公開リンクは、次のリンクにある『Cisco Event Response: Semiannual Cisco IOS & XE Software Security Advisory Bundled Publication』に掲載されています。
http://www.cisco.com/web/about/security/intelligence/Cisco_ERP_mar15.html
該当製品
脆弱性のある製品
デバイスのインターフェイスでVRFが有効になっているかどうかを確認するには、show vrfコマンドラインインターフェイス(CLI)コマンドを使用します。デバイスでVRFが設定されていない場合、VRFが有効であることを示す出力は表示されません。次の例では、VRFはどのインターフェイスでも有効になっていません。
Router#show vrf
Router#
デバイスがVRF用に設定されている場合、出力にはVRFが有効であることが示され、次の例に示すように、有効になっているデバイスインターフェイスが特定されます。
Router#show vrf上記の出力が返されてもインターフェイスが割り当てられていない場合、VRFは設定されている可能性がありますが、インターフェイスでは有効になっていません。この状況でのこの出力を次の例に示します。
Name Default RD Protocols Interfaces VRF-01 <not-set> ipv4 Gi0/0
Router#show vrfこの脆弱性は、デバイス宛てのIPv4トラフィックによってのみ引き起こされます。
Name Default RD Protocols Interfaces VRF-01 <not-set> ipv4
シスコ製品で稼働している Cisco IOS ソフトウェア リリースを確認するには、デバイスにログインして show version コマンドを使って、システム バナーを表示します。システム バナーに「Cisco Internetwork Operating System Software」や「Cisco IOS Software」などのテキストが表示された場合は、デバイスが Cisco IOS ソフトウェアを実行しています。カッコ内にイメージ名が表示され、その後ろに Cisco IOS ソフトウェアのリリース番号とリリース名が続きます。他のシスコ デバイスでは、show version コマンドが存在しなかったり、別の出力が表示されたりします。
次の例は、Cisco IOS ソフトウェア リリースが 15.2(4)M5、インストールされたイメージ名が C3900-UNIVERSALK9-M であるシスコ製品を示しています。
Router> show version
Cisco IOS Software, C3900 Software (C3900-UNIVERSALK9-M), Version 15.2(4)M5, RELEASE SOFTWARE (fc2)
Technical Support: http://www.cisco.com/techsupport
Copyright (c) 1986-2013 by Cisco Systems, Inc.
Compiled Fri 13-Sep-13 16:44 by prod_rel_team!--- output truncated
Cisco IOSソフトウェアのリリース命名規則の追加情報は、『White Paper: Cisco IOS and NX-OS Software Reference Guide』で確認できます。
脆弱性を含んでいないことが確認された製品
Cisco IOS XRソフトウェアは、この脆弱性の影響を受けません。
Cisco NX-OSソフトウェアは、この脆弱性の影響を受けません。
他のシスコ製品において、このアドバイザリの影響を受けるものは現在確認されていません。
詳細
キューウェッジは、Cisco IOSルータまたはスイッチによって特定のパケットが受信されてキューに入れられたものの、処理エラーが原因でキューから削除されないときに発生します。キューウェッジの詳細と、Cisco IOSソフトウェアでブロックされたインターフェイスの特定に使用できる検出メカニズムについては、このアドバイザリの「回避策」セクションを参照してください。また、シスコのセキュリティ ブログに記載されている「Cisco IOS Queue Wedges Explained」も参照してください。
デバイスを通過するIPバージョン4(IPv4)メッセージに対するICMPは、この脆弱性を引き起こしません。影響を受けるデバイスで終端するパケットだけが脆弱性を引き起こします。
この脆弱性は、Cisco Bug ID CSCsi02145(登録ユーザ専用)として文書化され、Common Vulnerabilities and Exposures(CVE)IDとしてCVE-2015-0638が割り当てられています。
回避策
組み込みイベント マネージャ
脆弱性のある Cisco IOS デバイス上で、Tool Command Language(TCL)に基づく組み込みイベント マネージャ(EEM)ポリシーを利用すると、この脆弱性によって引き起こされたインターフェイス キュー ウェッジを識別して、検出することができます。このポリシーによって、管理者は Cisco IOS デバイスのインターフェイスをモニタできるほか、インターフェイス入力キューがいっぱいになると、それを検出できます。Cisco IOS EEM がこの脆弱性による不正利用の可能性を検出すると、それに反応してポリシーがネットワーク管理者にアラートを送信し、それを受けて管理者は、入力キューをクリアするためにデバイスのアップグレード、適切な移行、またはリロードを行うことを判断できます。
Tclスクリプトは、次のリンクの「Cisco Beyond: Embedded Event Manager (EEM) Scripting Community」からダウンロードできます。https://supportforums.cisco.com/docs/DOC-19337
詳細については、シスコのセキュリティ ブログに記載されている「Cisco IOS Queue Wedges Explained」を参照してください。
修正済みソフトウェア
いずれの場合も、アップグレードするデバイスに十分なメモリがあること、および現在のハードウェアとソフトウェアの構成が新規リリースで引き続き正しくサポートされていることを十分に確認してください。不明な点については、Cisco Technical Assistance Center(TAC)もしくは契約しているメンテナンスプロバイダーにお問い合わせください。
Cisco IOS ソフトウェア
シスコでは、お客様が Cisco IOS ソフトウェアの脆弱性にさらされているかどうかを判断するためのツールを提供しています。 Cisco IOS Software Checker により、次のタスクを実行できます。
- ドロップダウン メニューからリリースを選択するか、ローカル システムからファイルをアップロードすることによって、検索を開始する
- show version コマンドの出力をツールで解析する
- カスタマイズした検索(過去に公開されたすべてのシスコ セキュリティ アドバイザリを検索対象に入れたり、特定の資料のみ、または最新のバンドル資料のすべてのアドバイザリを含めるなど)を作成する
このツールを使うことで、そのソフトウェア リリースに関連するすべてのシスコ セキュリティ アドバイザリを検索でき、それぞれのアドバイザリで言及された脆弱性を修正した最初のリリース("First Fixed")を特定できます。また該当する場合、すべてのアドバイザリの脆弱性が修正された最初のリリース("Combined First Fixed")を特定できます。Cisco IOS Software Checker を参照するか、次のフィールドに Cisco IOS ソフトウェア リリースを入力して、いずれかの公開された Cisco IOS ソフトウェア アドバイザリに該当するかどうかを判断できます。
(例:15.1(4)M2)
Cisco IOS XE ソフトウェア
Cisco IOS XEソフトウェアは、このアドバイザリで説明されている脆弱性の影響を受けません。Cisco IOS XR ソフトウェア
Cisco IOS XR ソフトウェアは、2015 年 3 月の Cisco IOS ソフトウェア セキュリティ アドバイザリ バンドルに含まれている脆弱性の影響を受けません。推奨事項
不正利用事例と公式発表
この脆弱性は、Cisco TACによるお客様の問題の調査中に発見されました。
URL
改訂履歴
バージョン | 説明 | セクション | ステータス | 日付 |
---|---|---|---|---|
1.2 | 過去に公開されたすべての Cisco IOSソフトウェア セキュリティ アドバイザリを照会できる Cisco IOS Checker ソフトウェアの Checker フォームを更新しました。 | 2016 年 1 月 14 日 | ||
1.1 | 「脆弱性が存在する製品」セクションを若干編集して、VRFに割り当てられた仮想インターフェイスまたは物理インターフェイスが影響を受け、物理インターフェイスだけでなく影響を受けることを明確にします。 | 2015 年 3 月 26 日 | ||
1.0 | 初回公開リリース | 2015 年 3 月 25 日 |
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