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日本語による情報は、英語による原文の非公式な翻訳であり、英語原文との間で内容の齟齬がある場合には、英語原文が優先します。
概要
この脆弱性は、TCP 3ウェイハンドシェイクの確立に使用される特定の巧妙に細工されたパケットシーケンスの不適切な処理に起因します。攻撃者は、3ウェイハンドシェイクの確立中に、巧妙に細工されたTCPパケットシーケンスを送信することで、この脆弱性を不正利用する可能性があります。不正利用に成功すると、攻撃者は該当デバイスのメモリリークを引き起こし、最終的にリロードを引き起こす可能性があります。
この脆弱性に対する回避策はありません。
シスコはこの脆弱性に対処するソフトウェアアップデートをリリースしています。このアドバイザリは、次のリンクより確認できます。
https://sec.cloudapps.cisco.com/security/center/content/CiscoSecurityAdvisory/cisco-sa-20150325-tcpleak
注: 2015年3月25日のCisco IOSおよびXEソフトウェアセキュリティアドバイザリバンドル公開には7件のCisco Security Advisoryが含まれています。これらのアドバイザリは Cisco IOS ソフトウェアおよび Cisco IOS XE ソフトウェアの脆弱性を扱っています。個々の公開リンクは、次のリンクにある『Cisco Event Response: Semiannual Cisco IOS & XE Software Security Advisory Bundled Publication』に掲載されています。
http://www.cisco.com/web/about/security/intelligence/Cisco_ERP_mar15.html
該当製品
脆弱性のある製品
Cisco IOSおよびCisco IOS XEソフトウェアを実行する特定のデバイスでは、TCPポートでリスニングしているプロセスがあるかどうかを判別できます。Cisco IOSデバイスまたはCisco IOS XEデバイスがリスニングサービス宛てのTCPパケットを処理するかどうかを判別するには、デバイスにログインして、次のコマンドラインインターフェイス(CLI)コマンドshow tcp brief allまたはshow control-plane host open-portsのいずれかを発行します。出力にTCPポートをリスニングしているプロセスが示されている場合、そのデバイスには脆弱性が存在します。
次の例は、この脆弱性の影響を受けるCisco IOSデバイスを示しています。デバイスは、TCPポート80および22でリッスンしているプロセスがあるため、脆弱です。
Router#show control-plane host open-ports
Active internet connections (servers and established)
Prot Local Address Foreign Address Service State
tcp *:22 *:0 SSH-Server LISTEN
tcp *:22 *:0 SSH-Server LISTEN
tcp *:80 *:0 HTTP CORE LISTEN
tcp *:80 *:0 HTTP CORE LISTEN
udp *:161 *:0 IP SNMP LISTEN
udp *:162 *:0 IP SNMP LISTEN
udp *:53519 *:0 IP SNMP LISTEN
Router#
Router#show tcp brief all
TCB Local Address Foreign Address (state)
03577CD8 ::.22 *.* LISTEN
03577318 *.22 *.* LISTEN
035455F8 ::.80 *.* LISTEN
03544C38 *.80 *.* LISTEN
Router#
注: CLIコマンドshow tcp brief all およびshow control-plane host open-ports はプラットフォームに依存し、Cisco IOSまたはCisco IOS XEソフトウェアを実行しているすべてのプラットフォームに存在するとは限りません。
シスコ製品で稼働している Cisco IOS ソフトウェア リリースを確認するには、デバイスにログインして show version コマンドを使って、システム バナーを表示します。システム バナーに「Cisco Internetwork Operating System Software」や「Cisco IOS Software」などのテキストが表示された場合は、デバイスが Cisco IOS ソフトウェアを実行しています。カッコ内にイメージ名が表示され、その後ろに Cisco IOS ソフトウェアのリリース番号とリリース名が続きます。他のシスコ デバイスでは、show version コマンドが存在しなかったり、別の出力が表示されたりします。
次の例は、Cisco IOS ソフトウェア リリースが 15.2(4)M5、インストールされたイメージ名が C3900-UNIVERSALK9-M であるシスコ製品を示しています。
Router> show version
Cisco IOS Software, C3900 Software (C3900-UNIVERSALK9-M), Version 15.2(4)M5, RELEASE SOFTWARE (fc2)
Technical Support: http://www.cisco.com/techsupport
Copyright (c) 1986-2013 by Cisco Systems, Inc.
Compiled Fri 13-Sep-13 16:44 by prod_rel_team!--- output truncated
Cisco IOSソフトウェアのリリース命名規則の追加情報は、『White Paper: Cisco IOS and NX-OS Software Reference Guide』で確認できます。
脆弱性を含んでいないことが確認された製品
他のシスコ製品において、このアドバイザリの影響を受けるものは現在確認されていません。
詳細
Cisco IOSおよびCisco IOS XEソフトウェアのTCP入力モジュールの脆弱性により、認証されていないリモート攻撃者が該当デバイスのメモリリークを引き起こし、最終的にリロードを引き起こす可能性があります。
この脆弱性は、TCP 3ウェイハンドシェイクの確立に使用される特定の巧妙に細工されたパケットシーケンスの不適切な処理に起因します。攻撃者は、3ウェイハンドシェイクの確立中に、巧妙に細工されたTCPパケットシーケンスを送信することで、この脆弱性を不正利用する可能性があります。不正利用に成功すると、攻撃者は該当デバイスのメモリリークを引き起こし、最終的にリロードを引き起こす可能性があります。
この脆弱性は、IPv4 パケットまたは IPv6 パケットのどちらでも不正利用される可能性があります。この脆弱性は、3ウェイハンドシェイクの確立中に巧妙に細工されたTCPパケットシーケンスによってトリガーされる可能性があります。巧妙に細工されたTCPパケットのシーケンスは、デバイスに設定されたインターフェイスのIPv4またはIPv6ユニキャストアドレスを使用して、TCPリスニングポート宛てに送信される必要があります。
この脆弱性は、該当デバイス宛てのトラフィックによってのみトリガーされ、該当デバイスを通過するトラフィックによっては不正利用されません。
脆弱性のある設定基準を満たすデバイスでは、巧妙に細工された一連のTCPパケットによってこの脆弱性が引き起こされる可能性があります。インフラストラクチャの知識を持つ攻撃者は、特定の条件を持つTCPパケットを作成して、この脆弱性を不正利用する可能性があります。この脆弱性の不正利用に成功した場合、影響を受けた機器では再起動が発生することがあります。
この脆弱性は、Cisco Bug ID CSCum94811(登録ユーザ専用)として文書化され、Common Vulnerabilities and Exposures(CVE)IDとしてCVE-2015-0646が割り当てられています。
回避策
ネットワーク内のシスコ デバイスに適用可能な他の対応策は、このアドバイザリの付属ドキュメントである『Cisco Applied Mitigation Bulletin』を参照してください。以下のリンクから入手できます。
https://sec.cloudapps.cisco.com/security/center/viewAMBAlert.x?alertId=37433
修正済みソフトウェア
いずれの場合も、アップグレードするデバイスに十分なメモリがあること、および現在のハードウェアとソフトウェアの構成が新規リリースで引き続き正しくサポートされていることを十分に確認してください。不明な点については、Cisco Technical Assistance Center(TAC)もしくは契約しているメンテナンスプロバイダーにお問い合わせください。
Cisco IOS ソフトウェア
シスコでは、お客様が Cisco IOS ソフトウェアの脆弱性にさらされているかどうかを判断するためのツールを提供しています。 Cisco IOS Software Checker により、次のタスクを実行できます。
- ドロップダウン メニューからリリースを選択するか、ローカル システムからファイルをアップロードすることによって、検索を開始する
- show version コマンドの出力をツールで解析する
- カスタマイズした検索(過去に公開されたすべてのシスコ セキュリティ アドバイザリを検索対象に入れたり、特定の資料のみ、または最新のバンドル資料のすべてのアドバイザリを含めるなど)を作成する
このツールを使うことで、そのソフトウェア リリースに関連するすべてのシスコ セキュリティ アドバイザリを検索でき、それぞれのアドバイザリで言及された脆弱性を修正した最初のリリース("First Fixed")を特定できます。また該当する場合、すべてのアドバイザリの脆弱性が修正された最初のリリース("Combined First Fixed")を特定できます。Cisco IOS Software Checker を参照するか、次のフィールドに Cisco IOS ソフトウェア リリースを入力して、いずれかの公開された Cisco IOS ソフトウェア アドバイザリに該当するかどうかを判断できます。
(例:15.1(4)M2)
Cisco IOS ソフトウェア リリースへの Cisco IOS XE ソフトウェア リリースのマッピングについては、「Cisco IOS XE 2 Release Notes」、「Cisco IOS XE 3S Release Notes」、および「Cisco IOS XE 3SG Release Notes」を参照してください。
Cisco IOS XE ソフトウェア
Cisco IOS XEソフトウェアは、このアドバイザリに記載されている脆弱性の影響を受けます。
Cisco IOS XE ソフトウェア リリース | First Fixed Release(修正された最初のリリース) | 2015 年 3 月 の Cisco IOS ソフトウェア セキュリティ アドバイザリ バンドル パブリケーションのすべてのアドバイザリに対する First Fixed Release(修正された最初のリリース) |
---|---|---|
2.5.x | 脆弱性なし |
脆弱性あり。3.12.3S以降に移行してください。 |
2.6.x | 脆弱性なし |
脆弱性あり。3.12.3S以降に移行してください。 |
3.1.xS | 脆弱性なし |
脆弱性あり。3.12.3S以降に移行してください。 |
3.1.xSG | 脆弱性なし |
脆弱性なし |
3.2.xS | 脆弱性なし |
脆弱性あり。3.12.3S以降に移行してください。 |
3.2.xSE | 脆弱性なし |
脆弱性あり。3.7.1E以降に移行してください。 |
3.2.xSG | 脆弱性なし |
脆弱性なし |
3.2.xXO | 脆弱性なし | 脆弱性なし |
3.2.xSQ | 脆弱性なし | 脆弱性なし |
3.3.xS | 脆弱性なし | 脆弱性あり。3.12.3S以降に移行してください。 |
3.3.xSE | 脆弱性なし | 脆弱性あり。3.7.1E以降に移行してください。 |
3.3.xSG | 脆弱性なし | 脆弱性あり。3.7.1E以降に移行してください。 |
3.3.xXO | 脆弱性あり。3.7.0E以降に移行してください。 |
脆弱性あり。3.7.1E以降に移行してください。 |
3.3.xSQ | 脆弱性なし | 脆弱性なし |
3.4.xS | 脆弱性なし | 脆弱性あり。3.12.3S以降に移行してください。 |
3.4.xSG | 脆弱性なし | 脆弱性あり。3.7.1E以降に移行してください。 |
3.4.xSQ | 脆弱性なし | 脆弱性なし |
3.5.xS | 脆弱性なし | 脆弱性あり。3.12.3S以降に移行してください。 |
3.5.xE | 脆弱性あり。3.7.0E以降に移行してください。 |
脆弱性あり。3.7.1E以降に移行してください。 |
3.6.xS | 脆弱性なし | 脆弱性あり。3.12.3S以降に移行してください。 |
3.6.xE | 脆弱性あり。3.7.0E以降に移行してください。 |
脆弱性あり。3.7.1E以降に移行してください。 |
3.7.xS | 脆弱性なし | 脆弱性あり。3.12.3S以降に移行してください。 |
3.7.xE | 脆弱性なし | 3.7.1E |
3.8.xS | 脆弱性あり。3.10.5S以降に移行してください。 |
脆弱性あり。3.12.3S以降に移行してください。 |
3.9.xS | 脆弱性あり。3.10.5S以降に移行してください。 |
脆弱性あり。3.12.3S以降に移行してください。 |
3.10.xS | 3.10.5S |
脆弱性あり。3.12.3S以降に移行してください。 |
3.11.xS | 脆弱性あり。3.12.3S以降に移行してください。 |
脆弱性あり。3.12.3S以降に移行してください。 |
3.12.xS | 3.12.3S |
脆弱性あり。3.12.3S以降に移行してください。 |
3.13.xS | 脆弱性なし | 3.13.2S |
3.14.xS |
脆弱性なし | 脆弱性なし |
3.15.xS |
脆弱性なし | 脆弱性なし |
推奨事項
不正利用事例と公式発表
この脆弱性は、サポートケースの解決中に発見されました。
URL
改訂履歴
バージョン | 説明 | セクション | ステータス | 日付 |
---|---|---|---|---|
1.2 | 過去に公開されたすべての Cisco IOSソフトウェア セキュリティ アドバイザリを照会できる Cisco IOS Checker ソフトウェアの Checker フォームを更新しました。 | 2016 年 1 月 14 日 | ||
1.1 | 2015 年 3 月 の Cisco IOS ソフトウェア セキュリティ アドバイザリ バンドル パブリケーションのすべてのアドバイザリにおいて First Fixed Release(修正した最初のリリース)の箇所を更新しました。 | 2015 年 3 月 25 日 | ||
1.0 | 初回公開リリース | 2015 年 3 月 25 日 |
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