High
High
日本語による情報は、英語による原文の非公式な翻訳であり、英語原文との間で内容の齟齬がある場合には、英語原文が優先します。
概要
シスコはこの脆弱性に対処するソフトウェアアップデートをリリースしています。この脆弱性を軽減する回避策がある可能性があります。 このアドバイザリの「回避策」セクションを参照してください。このアドバイザリは、次のリンクより確認できます。
https://sec.cloudapps.cisco.com/security/center/content/CiscoSecurityAdvisory/cisco-sa-20120314-fwsm
注:Cisco適応型セキュリティアプライアンス(ASA)およびCisco Catalyst 6500 ASAサービスモジュール(ASASM)もこの脆弱性の影響を受けます。
ASAおよびASASMに影響を与える脆弱性に関しては、別途Cisco Security Advisoryが公開されています。このアドバイザリは、https://sec.cloudapps.cisco.com/security/center/content/CiscoSecurityAdvisory/cisco-sa-20120314-asaで確認できます。
該当製品
脆弱性のある製品
具体的なバージョン情報については、このアドバイザリの「ソフトウェアバージョンおよび修正」セクションを参照してください。
Protocol Independent MulticastのDoS脆弱性
Cisco FWSMは、マルチキャストルーティングが有効な場合に、PIMメッセージの処理中に該当デバイスのリロードを引き起こす脆弱性の影響を受けます。マルチキャストルーティングはデフォルトで無効になっていますが、Cisco FWSMでマルチキャストルーティングが有効になっている場合、PIMはすべてのインターフェイスで自動的に有効になります。 次のコマンドは、マルチキャストルーティングを有効にします。
fwsm(config)# multicast-routing
インターフェイスでPIMが有効になっているかどうかを確認するには、show pim interfaceコマンドを使用します。次の例は、「inside」インターフェイスでPIMが有効になっていることを示しています。
fwsm# sh pim interface
Address Interface PIM Nbr Hello DR DR
Count Intvl Prior
172.16.1.66 inside on 0 30 1 this system
脆弱性を含んでいないことが確認された製品
詳細
Protocol Independent MulticastのDoS脆弱性
マルチキャストルーティングは、単一の情報ストリームを複数の受信者に同時に配信することによってトラフィックを削減する帯域幅節約型テクノロジーです。
Protocol Independent Multicast(PIM)は、IPルーティングプロトコルに依存しないマルチキャストルーティングプロトコルです。PIMは、Exterior Gateway Routing Protocol(EIGRP)、Open Shortest Path First(OSPF)、Border Gateway Protocol(BGP)、スタティックルートなど、使用中の任意のユニキャストルーティングプロトコルを利用して、ユニキャストルーティングテーブルにデータを入力できます。PIMは、このユニキャストルーティング情報を使用してマルチキャスト転送機能を実行し、IPプロトコルに依存しません。PIMはマルチキャストルーティングプロトコルと呼ばれますが、実際には、完全に独立したマルチキャストルーティングテーブルを構築する代わりに、ユニキャストルーティングテーブルを使用してリバースパス転送(RPF)チェック機能を実行します。PIMは、他のルーティングプロトコルとは異なり、ルータ間でマルチキャストルーティングアップデートを送受信しません。
マルチキャストルーティングが有効になっている場合、PIMメッセージの処理中に該当デバイスがリロードされる可能性のあるPIMの実装方法には脆弱性が存在します。この脆弱性は、PIMメッセージの不適切な処理に起因します。攻撃者は、巧妙に細工されたPIMメッセージを該当システムに送信することで、この脆弱性を不正利用する可能性があります。
この脆弱性は、Cisco Bug ID CSCtu97367(登録ユーザ専用)として文書化され、Common Vulnerabilities and Exposures(CVE)IDとしてCVE-2012-0356が割り当てられています。
回避策
Protocol Independent MulticastのDoS脆弱性
PIMを有効にする必要がある場合、この脆弱性を軽減する回避策はありません。ただし、マルチキャストルーティングが必要であるにもかかわらず、PIMがインターフェイスで使用されていない場合は、no pimインターフェイスレベルコマンドを発行することで、Cisco FWSMインターフェイスでPIMを無効にできます。
次の例は、PIMが無効になっているCisco FWSMデバイスでoutsideとして設定されているVlan20インターフェイスを示しています。
interface Vlan20
nameif outside
security-level 0
ip address 192.168.1.1 255.255.255.0
no pim
すべてのインターフェイスでPIMが無効になっていることを確認するには、show pim interfaceコマンドを発行し、すべてのインターフェイスでPIMの状態がoffに設定されていることを確認します。次の例は、すべてのインターフェイスでPIMが無効になっているCisco FWSMを示しています。
fwsm# show pim interface
Address Interface PIM Nbr Hello DR DR
Count Intvl Prior
192.168.1.1 outside off 0 30 1 not elected
172.16.1.66 inside off 0 30 1 not elected
修正済みソフトウェア
ソフトウェアのアップグレードを検討する場合は、http://www.cisco.com/go/psirt の Cisco Security Advisories and Responses アーカイブや後続のアドバイザリを参照して、侵害を受ける可能性と完全なアップグレード ソリューションを確認してください。
いずれの場合も、アップグレードするデバイスに十分なメモリがあること、および現在のハードウェアとソフトウェアの構成が新規リリースで引き続き正しくサポートされていることを十分に確認してください。不明な点については、Cisco Technical Assistance Center(TAC)もしくは契約しているメンテナンスプロバイダーにお問い合わせください。
Protocol Independent MulticastのDoS脆弱性
脆弱性 | メジャー リリース |
First Fixed Release(修正された最初のリリース) |
Protocol Independent MulticastのDoS脆弱性 |
2.2 |
Not affected |
2.3 |
Not affected |
|
3.1 |
脆弱性:3.2への移行が必要 |
|
3.2 |
3.2(23) 2012年3月下旬に提供開始 | |
4.0 |
脆弱性:4.1への移行が必要 |
|
4.1 |
4.1(8) |
推奨事項
不正利用事例と公式発表
Cisco Product Security Incident Response Team(PSIRT)は、本アドバイザリに記載されている脆弱性の不正利用事例やその公表を確認していません。
このセキュリティアドバイザリに記載された脆弱性は、カスタマーサポートケースの解決中に発見されました。
URL
改訂履歴
リビジョン 1.1 | 2012年3月19日 | 「回避策」セクション:PIMが使用されていない場合の回避策を追加 |
リビジョン 1.0 | 2012年3月14日 | 初版リリース |
利用規約
本アドバイザリは無保証のものとしてご提供しており、いかなる種類の保証も示唆するものではありません。 本アドバイザリの情報およびリンクの使用に関する責任の一切はそれらの使用者にあるものとします。 また、シスコは本ドキュメントの内容を予告なしに変更したり、更新したりする権利を有します。
本アドバイザリの記述内容に関して情報配信の URL を省略し、単独の転載や意訳を施した場合、当社が管理した情報とは見なされません。そうした情報は、事実誤認を引き起こしたり、重要な情報が欠落していたりする可能性があります。 このドキュメントの情報は、シスコ製品のエンドユーザを対象としています。