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日本語による情報は、英語による原文の非公式な翻訳であり、英語原文との間で内容の齟齬がある場合には、英語原文が優先します。
概要
Cisco 7600シリーズルータのCisco Session Border Controller(SBC)には、サービス拒否(DoS)の脆弱性が存在します。シスコはこの脆弱性に対処するソフトウェアアップデートをリリースしています。この脆弱性に対しては回避策があります。
このアドバイザリは、https://sec.cloudapps.cisco.com/security/center/content/CiscoSecurityAdvisory/cisco-sa-20090304-sbc で公開されています。
該当製品
脆弱性のある製品
3.0(2)より前のソフトウェアバージョンを実行しているすべてのCisco ACEベースSBCモジュールが影響を受けます。
システムで実行されているCisco SBCソフトウェアのバージョンを確認するには、デバイスにログインし、show versionコマンドを発行してシステムバナーを表示します。
card_A/Admin# show version system image file: [LCP] disk0:c76-sbck9-mzg.3.0.1_AS3_0_00.bin <output truncated>
Cisco SBCソフトウェアバージョン3.0.1は、この例で使用するデバイスで実行されています。
脆弱性を含んでいないことが確認された製品
Cisco XR 12000シリーズSBCには脆弱性はありません。また、Cisco ACEモジュール、Cisco ACE 4710 Application Control Engine、Cisco ACE XML Gateway、Cisco ACE Web Application Firewall、およびCisco ACE GSS(Global Site Selector)4400シリーズはこの脆弱性の影響を受けません。他のシスコ製品において、このアドバイザリの影響を受けるものは現在確認されていません。
詳細
セッションボーダーコントローラ(SBC)は、複数の管理ドメイン間でIP間の直接相互接続を可能にし、プロトコルインターワーキング、セキュリティ、アドミッション制御および管理を提供するセッションベースのサービスを実現します。SBCは、ネットワークの境界に配置され、そのネットワークへのコールアドミッションを制御するマルチメディアデバイスです。Cisco SBCには脆弱性が存在し、認証されていない攻撃者が巧妙に細工されたTCPパケットをポート2000経由で送信することでCisco SBCカードをリロードさせる可能性があります。この脆弱性が繰り返し悪用されると、DoS 状態が続く可能性があります。
注:不正利用が成功した後にリロードされるのは、Cisco SBCモジュールだけです。Cisco 7600シリーズルータはリロードを行わず、この脆弱性の影響を受けません。
注:TCPポート2000は通常、Skinny Call Control Protocol(SCCP)アプリケーションによって使用されます。ただし、Cisco SBCモジュールはハイアベイラビリティ(冗長性)通信にTCPポート2000を使用しますが、この目的にはSCCPを使用しません。
この脆弱性は、Cisco Bug ID CSCsq18958(登録ユーザ専用)として文書化され、Common Vulnerability and Exposures(CVE)IDとしてCVE-2009-0619が割り当てられています。
回避策
回避策として、ルートプロセッサ(RP)のシグナリング/メディアVLANにアクセスコントロールリスト(ACL)を設定します。次の例は、VLAN 140がシグナリング/メディアVLANとして設定されている方法を示しています。別のVLAN(VLAN 77)が耐障害性(FT)として設定されています。ACLは、RP上のシグナリング/メディアVLANに追加され、エイリアスIPアドレスへのすべてのTCPポート2000パケットをフィルタリングします。
Cisco SBCの設定
interface vlan 140 ip address 10.140.1.90 255.255.255.0 alias 10.140.1.100 255.255.255.0 peer ip address 10.140.1.8 255.255.255.0 ! ft interface vlan 77 ip address 192.168.1.1 255.255.255.0 peer ip address 192.168.1.8 255.255.255.0
RPの設定
!- ACL blocking all TCP port 2000 traffic to the 10.140.1.0 internal network ! access-list 100 deny tcp any host 10.140.1.100 eq 2000 access-list 100 permit ip any any ! interface Vlan140 ip address 10.140.1.1 255.255.255.0 !- ACL is applied to the VLAN interface to egress traffic ip access-group 100 out !
VLAN 140の下のaliasコマンドは、ハイアベイラビリティの使用時にアクティブモジュールとスタンバイモジュール間でフローティングするIPアドレスで設定されます。この脆弱性は、このIPアドレス宛てのTCPポート2000トラフィックによってのみ引き起こされます。アクセスコントロールリスト(ACL)は、エイリアスIPアドレス(10.140.1.100)宛てのTCPポート2000を拒否するように設定されています。ACLはRPの出力に適用されます。
注:TCPポート2000はSkinny Call Control Protocol(SCCP)アプリケーションによって使用されますが、この場合はSBCによって内部通信に使用されます。前のACLは、エイリアスIPアドレスへのTCPポート2000トラフィックのみをブロックします。TCPポート2000は、エイリアスIPアドレスでは使用されません。このACLによって付随的な損害が発生することはありません。
ネットワーク内のシスコデバイスに適用可能な他の対応策は、このアドバイザリの付属ドキュメントである『Cisco Applied Intelligence』にて参照できます。
修正済みソフトウェア
この脆弱性は、Cisco SBCソフトウェアリリース3.0(2)で修正されています。
Cisco SBCソフトウェアは次の場所からダウンロードできます。
http://www.cisco.com/pcgi-bin/tablebuild.pl/sbc-7600-crypto
アップグレードを検討する場合は、http://www.cisco.com/go/psirt と後続のアドバイザリも参照して、問題の解決状況と完全なアップグレード ソリューションを確認してください。
いずれの場合も、アップグレードする機器に十分なメモリがあること、および現在のハードウェアとソフトウェアの構成が新しいリリースで引き続き適切にサポートされていることの確認を十分に行ってください。情報に不明な点がある場合は、Cisco Technical Assistance Center(TAC)または契約を結んでいるメンテナンス プロバイダーにお問い合せください。
推奨事項
不正利用事例と公式発表
Cisco PSIRT では、本アドバイザリに記載されている脆弱性の不正利用事例やその公表は確認しておりません。
この脆弱性は内部テストで発見されました。
URL
改訂履歴
リビジョン 1.0 |
2009年3月4日 |
初版リリース |
利用規約
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