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日本語による情報は、英語による原文の非公式な翻訳であり、英語原文との間で内容の齟齬がある場合には、英語原文が優先します。
概要
Cisco Catalyst 6500 スイッチおよび Cisco 7600 シリーズ ルータ用の高速の統合ファイアウォール モジュールである Cisco Firewall Services Module(FWSM; ファイアウォール サービス モジュール)には、FWSM のリロードにつながる可能性がある脆弱性が含まれています。該当する FWSM システム ソフトウェアのバージョンは、3.2(3) だけです。
この問題が意図的に悪用された例は報告されていません。ただし、この脆弱性を偶然に誘発したものと思われるデータ ストリームは観察されています。
この脆弱性には、Common Vulnerabilities and Exposures(CVE)識別子 CVE-2007-5584 が割り当てられています。
シスコでは、この脆弱性に対処するソフトウェア アップデートをリリースする予定です。
この脆弱性に対しては回避策があります。
このアドバイザリは、https://sec.cloudapps.cisco.com/security/center/content/CiscoSecurityAdvisory/cisco-sa-20071219-fwsm で公開されています。
該当製品
脆弱性のある製品
FWSM は、システム ソフトウェア バージョン 3.2(3) が稼働している場合、この脆弱性に該当します。
FWSM が脆弱かどうかを判定するには、Cisco IOS または Cisco CatOS から Command-Line Interface(CLI; コマンドライン インターフェイス)コマンドの show module を発行して、システムにインストールされているモジュールとサブモジュールを確認します。
次の例は、スロット 4 にファイアウォール サービス モジュール(WS-SVC-FWM-1)が搭載されたシステムを示しています。
switch#show module Mod Ports Card Type Model Serial No. --- ----- -------------------------------------- ----------------- ----------- 1 48 SFM-capable 48 port 10/100/1000mb RJ45 WS-X6548-GE-TX SAxxxxxxxxx 4 6 Firewall Module WS-SVC-FWM-1 SAxxxxxxxxx 5 2 Supervisor Engine 720 (Active) WS-SUP720-BASE SAxxxxxxxxx 6 2 Supervisor Engine 720 (Hot) WS-SUP720-BASE SAxxxxxxxxx
正しいスロットの場所を確認した後、show module <slot number> コマンドを発行して、実行されているソフトウェアのバージョンを確認します。
switch#show module 4 Mod Ports Card Type Model Serial No. --- ----- -------------------------------------- ----------------- ----------- 4 6 Firewall Module WS-SVC-FWM-1 SAxxxxxxxxx Mod MAC addresses Hw Fw Sw Status --- --------------------------------- ------ ------------ ------------ ------- 4 0003.e4xx.xxxx to 0003.e4xx.xxxx 3.0 7.2(1) 3.2(3) Ok
上の例では、FWSM がバージョン 3.2(3) を実行していることが、「Sw」列に示されています。
注:Cisco IOSの最近のバージョンでは、show moduleコマンドの出力に各モジュールのソフトウェアバージョンが表示されます。したがって、show module <slot number>コマンドを実行する必要はありません。
または、次の例のように、show version コマンドを使用して FWSM から情報を直接取得することもできます。
FWSM#show version FWSM Firewall Version 3.2(3)
Cisco Adaptive Security Device Manager(ASDM)を使用してデバイスを管理している場合は、ログイン ウィンドウの表、または ASDM ウィンドウの左上にソフトウェアのバージョンが表示されます。バージョンの表記は次の例のようになります。
FWSM Version: 3.2(3)
脆弱性を含んでいないことが確認された製品
-
FWSM システム ソフトウェア バージョン 3.2(2) 以前。
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FWSM システム ソフトウェア バージョン 3.1(x)。
-
FWSM システム ソフトウェア バージョン 1.x(y) および 2.x(y)。
-
Cisco PIX 500 シリーズ セキュリティ アプライアンス(PIX)。
-
Cisco 5500 シリーズ適応型セキュリティ アプライアンス(ASA)。
他のシスコ製品において、このアドバイザリの影響を受けるものは現在確認されていません。
詳細
レイヤ 7 アプリケーション インスペクションを使用したコントロール プレーン パス内でのデータの処理に脆弱性が存在するため、FWSM がリロードされる可能性があります。この脆弱性は、アプリケーション層プロトコル インスペクション プロセスを通過する標準的なネットワーク トラフィックにより発生する場合があります。
この脆弱性に該当する FWSM のリリースは、FWSM システム ソフトウェア バージョン 3.2(3) だけです。
この脆弱性は、Cisco Bug ID CSCsl08519(登録ユーザ専用)に記載されています。
回避策
TCP 正規化機能の無効化
FWSM で TCP 正規化機能を無効にすると、この脆弱性は緩和されます。
TCP ノーマライザは、次のアクションを実行します。
コントロール プレーン パスを通過するトラフィック(レイヤ 7 インスペクションを必要とするパケットや管理トラフィックなど)の場合、FWSM は、TCP 接続用にキューに格納できる不正な順序のパケットの最大数を 2 パケットに設定します。TCP ノーマライザは、デフォルトで有効になっており、有効または無効にする以外の設定は行うことができません。
TCP 正規化機能を無効にするには、次の例に示すように、グローバル コンフィギュレーション モードで no control-point tcp-normalizer コマンドを使用します。
FWSM# config terminal FWSM(config)# no control-point tcp-normalizer FWSM(config)# FWSM#
「control-point tcp-normalizer」を無効にすると、不正な順序のセグメントの検出などの厳密な TCP チェックは行われず、FWSM でのレイヤ 7 インスペクション用にコントロール プレーンで受信する TCP パケットでの TCP オプションの監視は実行されません。修正済みバージョンのソフトウェアにアップグレードした後で、この機能を有効に戻す必要があります。
修正済みソフトウェア
アップグレードを検討する場合は、http://www.cisco.com/go/psirt と後続のアドバイザリを参照して、問題の解決状況と完全なアップグレード ソリューションを確認してください。
いずれの場合も、アップグレードする機器に十分なメモリがあること、および現在のハードウェアとソフトウェアの構成が新しいリリースで引き続き適切にサポートされていることの確認を十分に行ってください。情報に不明な点がある場合は、Cisco Technical Assistance Center(TAC)または契約を結んでいるメンテナンス プロバイダーにお問い合せください。
FWSM ソフトウェア バージョン 3.2(4) にはこのドキュメントで説明されている脆弱性に対する修正が含まれており、2008 年 1 月 7 日から始まる週の間にはダウンロードできるようになる予定です。
FWSMソフトウェアは、cisco.comのhttp://www.cisco.com/pcgi-bin/tablebuild.pl/cat6000-fwsm?psrtdcat20e2(登録ユーザ専用)からダウンロードできます。
推奨事項
不正利用事例と公式発表
この問題は、Cisco の社内テストで最初に発見されたものです。この問題が意図的に悪用された例は報告されていません。ただし、この脆弱性を偶然に誘発したものと思われるデータ ストリームは観察されています。
URL
改訂履歴
リビジョン 1.2 |
2008 年 1 月 3 日 |
「ソフトウェア バージョンと修正」セクションのダウンロードが使用可能になる日付を更新。 |
リビジョン 1.1 |
2007 年 12 月 19 日 |
CVSS の表の現状スコアのセクションを更新。 |
リビジョン 1.0 |
2007 年 12 月 19 日 |
初回公開リリース |
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