日本語による情報は、英語による原文の非公式な翻訳であり、英語原文との間で内容の齟齬がある場合には、英語原文が優先します。
概要
Cisco Security Monitoring, Analysis and Response System(CS-MARS)ソフトウェアには、サードパーティ製ソフトウェアおよびコマンドラインインターフェイス(CLI)に関連する脆弱性が含まれています。
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CS-MARSにはOracleデータベースが付属しています。データベースには、既知のパスワードを持つデフォルトのOracleアカウントがいくつか含まれています。データベースへのアクセス権が取得されると、データベースに含まれる機密情報にアクセスするためにデフォルトアカウントが使用される場合があります。
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CS-MARSは、JBoss Webアプリケーションサーバとともに出荷されます。JBossインストールのコンポーネントにより、リモートの認証されていないユーザがCS-MARS管理者の権限で任意のシェルコマンドを実行できる可能性があります。
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CS-MARS CLIには、認証された管理者がroot権限で任意のシェルコマンドを実行できる可能性のある複数の脆弱性が含まれています。
このアドバイザリで説明されているすべての脆弱性は、CS-MARSソフトウェアバージョン4.2.1で修正されています。
Cisco では、該当するお客様用に、これらの脆弱性に対応する無償ソフトウェアを提供しております。回避策はありません。
このアドバイザリは、https://sec.cloudapps.cisco.com/security/center/content/CiscoSecurityAdvisory/cisco-sa-20060719-mars で公開されています。
該当製品
このセクションには、該当製品に関する詳細が掲載されています。
脆弱性のある製品
4.2.1より前のCS-MARSソフトウェアバージョンは、このアドバイザリで説明されている脆弱性の影響を受けます。
CS-MARSソフトウェアのバージョンを確認するには、SSHクライアントを使用して、pnadminアカウントでシステム管理コマンドラインインターフェイス(CLI)にログインし、versionコマンドを実行します。
prompt$ ssh pnadmin@10.0.0.1 pnadmin@10.0.0.1's password: Last login: Tue Jun 20 16:22:34 2006 from 10.0.0.2 CS MARS - Mitigation and Response System ? for list of commands [pnadmin]$ version 4.1.5 (2198)
脆弱性を含んでいないことが確認された製品
他のシスコ製品においてこれらの脆弱性の影響を受けるものは、現在確認されていません。
詳細
Cisco Security Monitoring, Analysis and Response System(CS-MARS)は、さまざまなネットワークデバイスからイベントログを受信し、受信したデータを関連付けてセキュリティ問題を分析し、その結果をレポートするセキュリティシステムです。さらに、CS-MARSは自動タスクを実行して、セキュリティの問題を軽減できます。
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CS-MARSはOracleデータベースを使用して、機密のネットワークイベントと設定データを保存します。データベースに含まれる情報には、ファイアウォール、ルータ、IPSデバイスなどのネットワークデバイスの認証クレデンシャルや、ネットワークセキュリティイベントの詳細が含まれる可能性があります。デフォルトでは、Oracleデータベースには既知のパスワードを持つ複数の組み込みアカウントが含まれています。データベースへのアクセスが可能であれば、アカウントを使用して、データベースに保存されている情報を危険にさらす可能性があります。CS-MARSアプライアンスは、データベースへのローカルおよびリモートの不正アクセスを防止するように強化されています。念のため、データベースにアクセスする方法が発見された場合に悪用されないように、データベースアカウントはシスコによって無効にされています。CS-MARSアプリケーションは、デフォルトのOracleデータベースアカウントを使用しません。この脆弱性は、Cisco Bug ID CSCsd16256(登録ユーザ専用)に記載されています。
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CS-MARSには、JBoss Webアプリケーションサーバのインストールが含まれます。リモートの認証されていないユーザが、特別に細工されたHTTP要求を作成し、オプションのJBoss JMXコンソール経由でCS-MARS管理者の権限を使用してCS-MARSアプライアンス上で任意のシェルコマンドを実行する可能性があります。この脆弱性は、Cisco Bug ID CSCse47646(登録ユーザ専用)に記載されています。
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CS-MARS CLIは制限付きシェル環境であり、認証された管理者はこれを使用してシステムメンテナンスタスクを実行できます。CLIには、root権限を使用して基盤となるアプライアンスオペレーティングシステムでシェルコマンドを実行できる可能性のある、いくつかの権限昇格の脆弱性が含まれています。これらの脆弱性は、Cisco Bug ID CSCsd29111(登録ユーザ専用)、CSCsd31371(登録ユーザ専用)、CSCsd31377(登録ユーザ専用)、CSCsd31392(登録ユーザ専用)およびCSCsd31972(登録ユーザ専用)に記載されています。
回避策
これらの脆弱性に対する回避策はありません。
修正済みソフトウェア
アップグレードを検討する場合は、http://www.cisco.com/go/psirt と後続のアドバイザリも参照して、問題の解決状況と完全なアップグレード ソリューションを確認してください。
いずれの場合も、アップグレードする機器に十分なメモリがあること、および現在のハードウェアとソフトウェアの構成が新しいリリースで引き続き適切にサポートされていることの確認を十分に行ってください。情報に不明な点がある場合は、Cisco Technical Assistance Center(TAC)または契約を結んでいるメンテナンス プロバイダーにお問い合せください。
CS-MARSバージョン4.2.1以降には、このアドバイザリで参照されているすべての脆弱性に対する修正が含まれています。
CS-MARSのアップグレードは段階的です。入手可能なすべてのアップデートを適用して、最新バージョンを入手する必要があります。アップグレードパスについては、次のドキュメントを参照してください。
http://www.cisco.com/cisco/web/download/index.html
CS-MARSソフトウェアアップデートは、次のサイトで入手できます。
http://www.cisco.com/pcgi-bin/tablebuild.pl/cs-mars?psrtdcat20e2
推奨事項
不正利用事例と公式発表
Cisco PSIRT では、本アドバイザリに記載されている脆弱性の不正利用事例やその公表は確認しておりません。
JBossの脆弱性(CSCse47646(登録ユーザ専用))は、Jon Hart氏によってシスコに報告されました。
URL
改訂履歴
リビジョン 1.0 |
2006年7月19日 |
初回公開リリース |
利用規約
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