日本語による情報は、英語による原文の非公式な翻訳であり、英語原文との間で内容の齟齬がある場合には、英語原文が優先します。
概要
Cisco IOS® XRには、マルチプロトコルラベルスイッチング(MPLS)に関連する複数の脆弱性が存在します。これらの脆弱性の影響を受けるのは、Cisco IOS XRが稼働し、MPLSが設定されているシステムのみです。
不正利用が成功すると、Cisco Carrier Routing System 1(CRS-1)上のModular Services Card(MSC)またはCisco 12000シリーズルータ上のLine Card(LC)がリロードされ、スイッチドトラフィックに影響が及ぶ可能性があります。
シスコでは、該当するお客様用に、この脆弱性に対応する無償ソフトウェアを提供しております。
このアドバイザリは、https://sec.cloudapps.cisco.com/security/center/content/CiscoSecurityAdvisory/cisco-sa-20060419-xr で公開されています。
該当製品
このセクションには、該当製品に関する詳細が掲載されています。
脆弱性のある製品
この脆弱性の影響を受けるのは、Cisco IOS XRが稼働し、MPLSが設定されているシステムのみです。
Cisco IOS XRが稼働し、MPLSが設定されているシステムは、show mpls interfacesコマンドで識別できます。MPLS用に設定されたCRS-1上のこのコマンドの出力例を次に示します。
RP/0/RP1/CPU0:crs1#show mpls interfaces Interface LDP Tunnel Enabled -------------------------- -------- -------- -------- POS0/2/0/0 Yes Yes Yes POS0/2/0/1 No Yes Yes POS0/2/0/2 Yes No Yes POS0/2/0/3 Yes Yes Yes GigabitEthernet0/3/1/0 Yes No Yes GigabitEthernet0/3/1/3 Yes No Yes POS0/3/0/1 Yes Yes Yes TenGigE0/6/0/0 Yes No Yes RP/0/RP1/CPU0:crs#
上記の出力では、Enabledというラベルが付いた4番目の列によって、MPLSが有効なインターフェイスが示されています。
脆弱性を含んでいないことが確認された製品
Cisco IOS XRは、CRS-1またはCisco 12000シリーズルータでのみ動作します。Cisco IOSが稼働するシステムなど、他のシスコ製品は影響を受けません。
詳細
Cisco IOS XRソフトウェアは、マイクロカーネルベースの分散オペレーティングシステムインフラストラクチャを使用するCisco IOSソフトウェアファミリの1つです。Cisco IOS XRは、Cisco CRS-1とCisco 12000シリーズルータの両方で動作します。
Cisco IOS XRの詳細については、次のURLを参照してください。
http://www.cisco.com/en/US/products/ps5845/index.html
モジュラサービスカード(MSC)。ラインカードとも呼ばれ、Cisco CRS-1のレイヤ3フォワーディングエンジンです。MSCは、レイヤ1およびレイヤ2サービスを提供する物理層インターフェイスモジュール(PLIM)とペアになっています。
Cisco CRS-1アーキテクチャの詳細については、次のURLを参照してください。
http://www.cisco.com/en/US/products/ps5763/index.html
Cisco CRS-1または12000シリーズシステムによってスイッチングされる特定のMPLSパケットは、NetIOプロセスを再起動します。NetIOプロセスが何度か連続して再起動されると、ラインカードはリロードされ、そのラインカードでスイッチングされているトラフィックに対してサービス拒否(DoS)状態が発生します。
MPLSパケットはMPLSネットワークを介して転送されます。したがって、この脆弱性を引き起こす可能性のあるパケットは、MPLSネットワーク内のリモートシステムから送信される可能性があります。このようなパケットは、MPLSが設定されていないインターフェイスでは受信できません。
この脆弱性は、次のCisco Bug IDで対処されています。
-
CSCsd15970(登録ユーザ専用):特定のMPLSパケットを受信するとMSCがクラッシュする
この不具合はCRS-1にのみ影響し、Cisco IOS XRを実行しているCisco 12000シリーズルータには影響しません。
-
CSCsd55531(登録ユーザ専用):MPLSパケット処理の問題
この不具合はCRS-1にのみ影響し、Cisco IOS XRを実行しているCisco 12000シリーズルータには影響しません。
-
CSCsc77475(登録ユーザ専用):特定のMPLSパケットを受信するとラインカードがクラッシュする
この不具合は、Cisco IOS XRを実行しているCRS-1およびCisco 12000シリーズルータの両方に影響を与えます。
回避策
これらの脆弱性の影響を軽減する回避策はありません。
修正済みソフトウェア
アップグレードを検討する場合は、http://www.cisco.com/go/psirt と後続のアドバイザリも参照して、問題の解決状況と完全なアップグレード ソリューションを確認してください。
いずれの場合も、アップグレードする機器に十分なメモリがあること、および現在のハードウェアとソフトウェアの構成が新しいリリースで引き続き適切にサポートされていることの確認を十分に行ってください。情報に不明な点がある場合は、Cisco Technical Assistance Center(TAC)または契約を結んでいるメンテナンス プロバイダーにお問い合せください。
Cisco IOS XR のバージョン |
SMU ID |
3.2.0 |
0.AA01447 |
3.2.1 |
0.AA01446 |
3.2.2 |
0.AA01448 |
3.2.3 CRS-1用 |
0.AA01444 |
3.2.3(PRPの場合) |
0.AA01451 |
3.2.4 |
0.AA01449 |
3.2.50 |
0.AA01450 |
3.3 |
Cisco IOS XR 3.3には脆弱性はありません |
推奨事項
不正利用事例と公式発表
Cisco PSIRT では、本アドバイザリに記載されている脆弱性の不正利用事例やその公表は確認しておりません。
この脆弱性は、お客様からシスコに報告されたものです。
URL
改訂履歴
リビジョン 1.0 |
2006年4月19日 |
初回公開リリース |
利用規約
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