航空会社 easyJet 社は、ネットワークとアプリケーション全体で Cisco Full-Stack Observability を使用して、定刻どおりの運航を順調に続けています。
ポイント・トゥ・ポイント方式を採用する航空会社として世界有数の easyJet 社は、英国を拠点に世界 34 ヵ国、927 路線を運航しています。2019 年には、ホリデーパッケージサービス「easyJet holidays」を開始し、成功を収めました。
業種:運輸業
所在地:ルートン(イギリス)
規模:従業員 13,000 人
Web サイト: easyjet.com
航空会社の経営は複雑です。オンラインでの予約、フライトのスケジュールと管理、客室乗務員と航空機の運用計画など、旅行客が直接目にする体験があります。さらに、旅行客の体験をサポートするバックエンドシステムもあります。たとえば、データベース、IT ネットワーク、ビジネスアプリケーションなど、航空会社が日々円滑に業務を遂行するためのシステムです。easyJet 社にとって、スムーズで記憶に残る旅行体験を提供することは、単なるビジネス指標ではなく、基本理念です。
同社のシニア テクノロジー マネージャーである Simon Challis 氏は次のように述べています。「ロンドンを離陸した飛行機がパリに着陸してアムステルダムに向かい、翌朝ロンドンに戻ってくるという運航パターンが一般的です。この一連の運航に遅れが生じると、フライトを準備をする乗務員から、目的地へ移動する旅行客まで、旅のすべての段階に影響が生じます」
easyJet 社は現在、既存の課題に対処し、テクノロジーとビジネスの新たな機会を活用するためにフルスタック オブザーバビリティを実現しようとしています。同社は、IT 運用の可視性と制御を向上させながら、サービス品質を継続的に改善できるよう、クラウド環境への移行に注力しています。Challis 氏のチームはその中心的存在であり、easyJet や easyjet.com をはじめとする組織内の多くの部門にサービスを提供しています。その変革は、次の 3 つの IT 要件に基づいて進められています。
つまり、easyJet 社は顧客を中心としたデータ主導型のデジタル組織になりつつあります。Challis 氏は次のように述べています。「私たちはフライトネットワークと同じくらい複雑な IT 組織を管理する必要があり、より正確で効率的に業務を遂行するために、クラウドとデジタルサービスへの依存を強めています。そのために不可欠となっているのが、ネットワークからデータベース、デジタルカスタマーサービスに至るまで、IT スタックのあらゆる要素の可視化です」
「当社は、運航においても、新しいテクノロジーを試してお客様のニーズを的確に満たすことでも、データ主導型の航空会社であることに誇りを持っています。Cisco Full-Stack Observability により、観測可能なデータをリアルタイムで把握し、制御できるようになりました。つまり、従業員と旅行客向けのサービスを常に向上し続けることが可能なのです。」
Simon Challis 氏、 シニア テクノロジー マネージャー
フルスタック オブザーバビリティを実現するために easyJet 社がまず着手したのが、Cisco AppDynamics の導入です。その目的は、顧客向けサービス、特に easyjet.com の Web サイトを最適化することでした。同社が魅力的な料金で新路線の運航計画を発表したときは特にそうですが、easyjet.com ではピーク時の負荷が急増することがあります。Challis 氏によると、このようなときは 1 分あたり 1,000 席が売れることもあるようです。
Cisco AppDynamics を使用すれば、パフォーマンスの問題が顕在化する前に予測し、未然に回避することができます。負荷テストを実施して、顧客体験と購買プロセスの弱点を明らかにすることで、Web サイトはどのくらいの負荷に対応できるのか、どのようなギャップを埋める必要があるか、前述のような特に重要な時期にスムーズな顧客体験を確保するためにソフトウェアパートナーとどのように連携する必要があるのかをチームが理解できます。
「システムのキャパシティが最大に達し、それを何とか維持しようとしているときに最適化している場合ではありません。障害が発生する前に問題を見つけて最適化するのです」と Challis 氏は述べています。「Cisco AppDynamics を利用することでプラットフォームを改善し、従業員と顧客の生活をより良いものにするための情報を常に収集しています」
easyJet 社が Cisco AppDynamics を利用して最初に成功した事例の 1 つは、2019 年に立ち上げられた easyJet holidays です。フライトとホテルを予約するブランド名のないサイトをリニューアルし、同組織の子会社にするというものでした。この統合を通じて easyJet holidays のプラットフォームを監視し、最適化できるようになったため、わずか 6 か月で easyJet holidays の立ち上げを成功させることができました。現在、easyJet holidays は健全な利益を上げており、ますます業績を伸ばしています。
ネットワーク全体をエンドツーエンドで可視化することを検討していた easyJet 社は、ネットワークと SaaS クラウドソリューションに関する詳細なインサイトを得るために、Cisco ThousandEyes を導入しました。さらに、Cisco ThousandEyes と Cisco AppDynamics が統合された Cisco Full-Stack Observability の導入に乗り出し、顧客に関わるすべてのアプリケーションとサービスを監視できるようになりました。
ネットワークからエンドユーザー アプリケーションまで、Cisco Full-Stack Observability の機能を利用することは easyJet 社の変革の重要な柱の 1 つであり、これによって、組織内部からネットワークエッジ、さらにその先まで、エンドツーエンドの可視性が提供されます。
ヨーロッパの数十か所を拠点とする easyJet 社の乗務員は、業務に必要なビジネスアプリケーションに、どこからでも簡単かつ確実にアクセスすることができます。すべての拠点は、IT へのアクセスが制限されているリモートチームとしてではなく、統合された easyJet 社のオフィスのように機能します。
重要な乗務員管理アプリケーションを監視する際は、このレベルのインサイトが非常に重要であることが証明されました。Challis 氏は次のように述べています。「時間的な制約のある情報に乗務員がアクセスできない場合、遅延が発生することになり、それがわずか数分だとしても、顧客体験に悪影響を及ぼす可能性があります」
同氏のチームは、主要なアプリケーションとその依存関係のパフォーマンスと可用性を包括的に把握するために、Cisco Full-Stack Observability を使用しました。オブザーバビリティが向上したことにより、同社はあらゆる問題の原因を迅速に特定して解決し、再発を防止できるようになりました。
「以前は、障害があることはわかっていても、それがアプリケーションレイヤにあるのか、ミドルウェアにあるのか、データベースにあるのかを知る方法がありませんでした。Cisco AppDynamics と Cisco ThousandEyes の統合ダッシュボードにより、ユーザー体験をエンドツーエンドで包括的に把握して、最も重要なアプリケーションの 1 つで発生した問題を解決できるようになりました」と Challis 氏は語っています。
Cisco Full-Stack Observability によって全体像を把握できた easyJet 社は、継続的な改善と最適化の文化を備えた真のデータ主導型の組織へと変貌しました。同社は Cisco AppDynamics の適用範囲を、アプリケーションレベルからデータベース、さらにはインフラストラクチャレイヤ、従業員体験にまで拡大しています。Cisco AppDynamics と Cisco ThousandEyes を組み合わせてネットワークパフォーマンスをカバーすることで、同社は運用を AWS に移行する際に必要な 3 つの IT 要件すべてに対応するテクノロジースタックを統合的に把握できるようになりました。
easyJet 社が IT のパフォーマンス、信頼性、顧客体験において達成した進歩は、ほんの始まりにすぎません。Challis 氏とそのチームは、easyJet 社の社内プラットフォームがユーザーの要求に合わせて絶えず進化できるように、データをよりプロアクティブに利用しようとしています。
Challis 氏は次のように述べています。「当社は、運航においても、新しいテクノロジーを試してお客様のニーズを的確に満たすことでも、データ主導型の航空会社であることに誇りを持っています。Cisco Full-Stack Observability により、観測可能なデータをリアルタイムで把握し、制御できるようになりました。つまり、従業員と旅行客向けのサービスを常に向上し続けることが可能なのです」
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